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中国の武漢市で新型肺炎専門病院が完成し、3日から患者の受け入れが始まった。1000床規模の施設がわずか10日で完成したことで話題の「火神山医院」だ。
中国の通信機器大手ファーウェイも同医院の建設に大々的な技術支援を行った。先月31日には大手通信事業体チャイナテレコム(中国電信)と共同で院内に「遠隔診療プラットフォーム」を敷設した。システムの敷設、動作テスト、引き渡しまでわずか12時間で完了したという。
この遠隔システムにより、院内の異なるエリア間で連携して診察に当たれるほか、武漢市内の他の病院や北京の病院からも遠隔診療が行えるようになる。
新型肺炎の感染が広がるにつれ、武漢では医療資源が不足し、現場の医療人員の疲弊は深刻だ。遠隔診療によって外野から支援ができれば大幅に負荷を軽減できる。遠隔地の医師らが武漢に出向く必要も減るだろう。
ただし、遠隔診療を遂行するには複数の医療機関でCT画像などを共有する必要があり、そのためには高精細映像を介したビデオ通話機能が必須だ。ファーウェイの遠隔診療プラットフォームはフルハイビジョン動画に対応し、同社のオールインワンHDビデオ会議システム「TE20」およびビデオ会議一元化システム「SMC」を導入。通信速度512Kbsのような劣悪な環境でも問題なく動作する。
火神山医院では医療用ワゴンに取り付けるカメラも導入。各病室にいる患者の様子を近距離から撮影できる。
通信は1Gbsの光回線を使用しているが、すでに5G通信にも対応できる仕様を備えており、今後の必要に応じて5G通信を稼働させる可能性もある。
ファーウェイは先月23日に150人体制の新型肺炎対策チームを立ち上げ、25日には湖北省入りしている。遠隔診療設備のほか、ウィルス検査を支援する無線ネットワークやクラウドコンピューティング技術を提供している。有線ネットワークやコンピューティングリソースがない場所で活用され、次週にも稼働に入る目途が立っている。
病院自体が超突貫工事だったため、設備不足は否めない。5Gを使いクラウド経由でデータ転送を行えば、診察時のスクリーニング効率は高められる。幸い、国内の一・二級都市中心部ではすでに5Gネットワークが整っている。5Gが新型肺炎の制圧に活用されれば、今後の遠隔医療やウイルス検査への導入はさらに進むだろう。
※アイキャッチ画像および文中画像はファーウェイ提供
(翻訳・愛玉)
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