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鉱山の採掘現場で人件費高騰や輸送効率などの問題を解決するのに自動運転技術が注目されている。
生産物流向けに自動運転技術のソリューションを提供する「盟識科技(MaxSense.ai)」は、迅速な商用化を目標に掲げ、採掘現場における短距離かつ高頻度の作業を想定したサービス開発を進めている。同社はプレシリーズAで純電気自動車(ピュアEV)の大型トラックを開発する「博雷頓(Breton)」から資金を調達している。
2015年に設立された盟識科技は、2019年2月から上海市臨港地区にあるインテリジェント・コネクテッド・ビークル・モデルエリアでテストを行っている。テスト車両は博雷頓社が提供するピュアEVトラックで、自動でバックするなど高度な機能を備えている。昨年11月からは、自動運転のダンプカーを採掘現場に投入して、実際の作業テストを行っている。今年には安徽省にある民間の露天採掘現場で運用する予定で、その後国内の大型鉱山や港湾で大規模に展開するという。
盟識科技の創業者でCEOの邱長伍氏の話によると、同社の自動運転ソリューションは車両の自動運転システム、集中制御プラットフォーム、パブリッククラウドによる維持管理サポートシステムという三段階のシステムから成っているという。
車両に搭載された自動運転システムはプラットフォームから業務とルートの指令を受け取り、環境認識やパスプランニング、障害物回避、積載作業などを実行する。
集中制御プラットフォームでは自動運転システムや周囲の設備と通信しながら、システム内の各車両や作業設備、作業の進捗状況が反映される。リアルタイムでモニタリングして車両の配置を最適化できるため、車両運用コストの削減および運営効率とコストパフォーマンスの向上につながる。
さらにパブリッククラウド上に維持管理サポートシステムを設置、パブリックネットワークを通じてリモートサポートや故障診断、メンテナンス、自動運転システムのアップデートなどを提供する。
中国国内における石炭の露天採掘量は年間9億トン以上、金属資源は11億トンに上る。露天採掘の一般的な剥土比で計算すると、運搬する鉱物と土砂の総重量は少なく見積もっても120億トンになる。さらに建設市場で砂石の需要が毎年50億トン以上あることを考えると、年間運搬量は170億トンを下らない。1キロメートルの運送料を1トンあたり1.5元(約23円)として試算すると、鉱山における自動運転輸送の市場規模は年間1200億元(約1兆9000億円)に達する。
盟識科技の競争力について、博雷頓の董事長で総経理の陳方明氏は次のように語っている。「弊社の大型トラックの納入先は鉱山や港湾がメインなので、盟識科技とそれら取引先の仲立ちをすることができる。また採掘現場で提供する穿孔、発破、採掘、運搬の全行程ソリューションのうち、運搬部分を盟識に委託することも可能だ。それにより、コストパフォーマンスの高いサービスを提供できるようになる」
盟識科技の創業メンバーは上海交通大学ロボット研究所の出身で、移動ロボットの制御や無人運転技術に関する豊富な知識を有している。また自動車産業やエネルギー関連業界に従事してきた専門家もチームに加わっているほか、修士以上の学歴保持者が中心メンバーの8割を占めている。
盟識科技は現在シリーズAで資金を調達中だ。
※アイキャッチ画像は盟識科技提供
(翻訳・畠中裕子)
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