新型肺炎による在宅勤務の急増 コラボレーションツールは本当に成長できるのか

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新型肺炎による在宅勤務の急増 コラボレーションツールは本当に成長できるのか

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新型肺炎のさらなる感染拡大を防ぐため、春節休暇明けの初日、在宅勤務する人が全国で一気に増えた。

それにより、アリババとテンセントのコラボレーションツールである「釘釘(DingTalk)」、「企業版WeChat」にアクセスが集中し、サービスが一時不安定になった。釘釘のデータによると、2月3日に在宅勤務した人は2億人近いという。

このような緊急事態に際し、複数のIMサービスが一時的に無料化またはアクセスの権限を開放するなどした。膨大なニーズはプレッシャーである一方、絶好のチャンスでもあるのだ。

乱立するコラボレーションツール

中国のユーザーがよく知っている企業版WeChatと釘釘のほかに、共同作業ツール・ソフトウェアは大きく分けて数種類ある。

総合コラボレーションツールには、企業版WeChat、釘釘、バイトダンスが手掛けた「飛書(FEISHU、海外版Larkという)」がある。文書共有ツールにおいて、「騰訊文档(docs.qq)」、「金山文档(kdocs.cn)」、「石墨文档(shimo.im)」、Google Doc、「エバーノート(evernote)」などが主流である。また、会議ツールの「騰訊会議(Tencent meeting)」、「Zoom」、タスク管理の「Trello」、「Tower」、「Teambition」などもある。

特定の機能に特化したツールと異なり、総合コラボレーションツールはオフィス事務のソリューションを提供するものだ。IM機能、ビデオチャット、文書の共有が可能なだけでなく、企業に必要な事務的機能も備わっている。

現在の状況に対応するため、コラボレーションツールを運営する企業のほぼすべてが休日出勤状態だ。テンセントの関係者によると、春節休暇の2日目である1月25日には運営チーム全員が職場に戻り、春節中も24時間態勢でサービスを提供し、メンバー募集も随時行っているという。

飛書では、24時間態勢のカスタマーサービス電話を開設し、企業からの要請があれば随時対応している。ツール内に「健康状態の申告」という機能を追加するために、開発チームも24時間態勢で勤務しているが、それでも時間が足りない。開発が終わる2〜3時間前から、次の開発指令が下されるからだ。

コラボレーションツールの乱立は、現在の特殊な状況に置けるアクセスとニーズに応えるためだが、長期的に見ても、目下の争いが各社のサービスの認知度とユーザー数を決めると考えられる。

発展の好機か

コラボレーションツールの注目度が上がり、利用者が大きく増えたため、それをECと比較する記事が出始めた。2003年のSARS以降にECが台頭したのと同じような現象は、コラボレーションツールにも見られるのではないかと予測するものだ。

新型肺炎による休暇の延長とテレワークの増加が成長のチャンスになっているのは確かだ。各社がサービスの無料化を進めたのは公益のためであると同時に、新規ユーザーを獲得するためでもある。

しかし、大半の企業はやはりWeChatあるいは同じテンセントのSNS「QQ」と、Officeツールを組み合わせるのが一般的だ。日常作業はこのような環境で十分対応できるため、ユーザーの習慣を変えるのは困難だ。

例えば、上司が文書をローカルに保存したいため、リンクではなく電子ファイルの提出を義務付けることがよくあるという。

すでにコラボレーションツールを使用し、SOHOの環境で働く人たちにとっても、まだまだ不便だ。報告、連絡や効率が不安定なため、企業が時間をかけて形成した管理、組織、コミュニケーションの習慣を変えることができないのだ。

これはコラボレーションツールが今後成長していく上での障害である。サービスは継続的に更新可能だが、利用者の習慣をどのようにテレワークに適したものにするかという課題の解決には、かなりの時間を要するだろう。

テレワークの普及には、それまでの習慣を変えることのほか、セキュリティも重要である。特に中小企業と個人ユーザーは共同作業ツールにまだ不信感があり、リンクの共有による情報漏えいを懸念しているためだ。ただし、専門家によると、流出する可能性のあるファイルと比べ、むしろ暗号化できるリンクの方が安全だという。

セキュリティ面において、騰訊文档はアクセス権限の設定、閲覧者のフットプリントなど4つの機能でプライバシーの保護を強化している。ほかにもテンセントのクラウドサービスで使われている「T-Sec暗号化管理システム」でデータの暗号化を行ったり、DDoS攻撃を防ぐためにテンセント内部のファイアウォールを組み込んだりしている。

ユーザーの習慣と理解度を変えるには、製品の機能性とセキュリティにおける持続的な改善が必要な上、ユーザーを教育していくことも必要である。これは、一朝一夕でできることではない。

作者:「深響」(Wechat ID:deep-echo) 鴻鍵

(翻訳:小六)

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