産業AIコンピュータビジョンをクラウドで提供 ニッチなニーズに対応する「NeuroBot」

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2019年年末、産業用AIコンピュータビジョン関連企業「矩視智能(NeuroBot)」が、「中信双創(CITIC Startup)」の主導するエンジェルラウンドで数百万元(数千万円)を調達したという。同社の弭宝瞳CEOによると、調達資金は製品の更新およびプラットフォームの運営に充てられる。

2017年創業の矩視智能は、産業用コンピュータビジョンのクラウドプラットフォームを手がける企業。AI、クラウドコンピューティングおよびビッグデータ技術を利用し、医薬品、食品、自動車、3Cと呼ばれるコンピュータ、通信機器、家電などの1000種以上の産業分野において、製造業向けのオンライン不良検出、文字認識、位置検出などの機能を提供する。利用者は収集後の画像をクラウドプラットフォームにアップロードし、タグ付けと学習を行うだけで、ローカル運用可能なAIモデルを作成できる。

業界全体についてみると、清華大学の「AI発展リポート」によれば、AIの重要分野の一つであるマシンビジョン技術は、中国内外のAI関連企業の応用技術において4割超の割合を占めている。また中国の研究機関である「前瞻産業研究院」の調べによると、中国のマシンビジョン業界の市場規模は2011~2017年に10億8000万元(約170億円)から80億元(約1260億円)にまで拡大し、年平均成長率は40%に迫った。現時点でマシンビジョンが最も広く活用されている分野は、自動車、コンピュータ、通信機器、家電といった標準化が進んだ業界だ。

市場での位置づけとしては、中国の産業用コンピュータビジョン業界にはすでに30年以上の歴史があるものの、ユニコーンは過去にほとんど誕生してこなかった。弭CEOは、産業用コンピュータビジョンが対応するニッチなシーンは非常に多元的だと考える。自動車、コンピュータ、通信機器、家電などの高度に標準化された業界に加え、医薬品、食品、アパレルなどの非常に多元的でニッチなシーンが、市場全体のニーズの8割を占めている。だが技術やコストの制約を受け、こうしたニーズは満たされていない。過去のスタートアップの多くは産業用AIコンピュータビジョンのソフトウエアを採用し、コグネックスやキーエンスなど世界の大手企業をベンチマークとしてきた。こうしたスタートアップ企業のメンバーの多くはAI技術のバックグラウンドを持っていたが、AIアルゴリズムの汎用化は容易でないため、製品を多元的な各種ニーズにマッチさせることが難しい状況にあった。

既存の産業用コンピュータビジョンソフトウエアおよび産業用AIコンピュータビジョンソフトウエアと比べ、矩視智能の特長や優位性は以下の二点にある。

・AIクラウドプラットフォームに基づく製品ロードマップを採用し、アルゴリズム主導型からデータ主導型へと移行。蓄積した産業用コンピュータビジョンのビッグデータをもとに、異なるシーンに対し、同社が自社開発したデータミドルエンド機能を通じて最適なAIアルゴリズムを自動で割り当てることで、開発効率を大きく引き上げた。さらに今後の継続的なデータの蓄積により、100%に近い精度を実現可能。

・運営方式としては、AIクラウドプラットフォームを無料で開放し、ユーザーはID登録のみでオンライン利用できる。同社はローカル運用時のライセンス授与により収益を得ており、これまでの産業用コンピュータビジョンソフトウエアとは一線を画している。

リンゴの外観検査の画像

同社の現在の主要顧客は自動化を手掛けるシステムインテグレーション企業で、すでに100件超のニッチなシーンに導入されている。膨大な産業用コンピュータビジョンデータやAIモデルベースを蓄積し、すでに世界的医薬品メーカーバイエルを含む30社以上の顧客と提携しており、売上高は数百万元(数千万円)に上る。今後は産業用コンピュータビジョンのビッグデータという産業障壁をもとに、同分野のあらゆる細分化されたシーンの網羅を目指していく。
(翻訳・神部明果)

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