「新型コロナでオンライン教育業界の再編が進む」、教育大手の新東方に取材

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2020 年、オンライン教育業界の構図が再び変わろうとしている。

「トラフィックの急増により、1000億元(約1.6兆円)近い宣伝費を節約できた。これまでは大手オンライン教育企業が少人数クラスモデルにシフトするには3年かかると予想していたが、1年間に短縮できそうだ」このように語るのは、教育大手「新東方(New Oriental)」傘下のオンライン教育サービス「東方優播(DFUB)」のCEO 朱宇氏だ。

同じく新東方傘下の「新東方在線(KOOLEANR)」は2019年4月に上場して以降、株価はすでに2.6倍に上がり、中間報告書公表後にも30%以上上がった。投資家のオンライン教育に対する期待感は高く、さらに新型肺炎の感染拡大により、学生がオンラインでの受講を余儀なくされたためだ。

新型肺炎はオンライン教育にどのような影響を与えるのかについて、朱宇氏に話を聞いた。

ーー今回の感染症はオフラインとオンラインの教育にそれぞれどのような影響を与えるのでしょうか。

「感染症により、ユーザーが桁違いに増えた。その影響は3つの現象に現れている。まず、膨大なユーザー全員に体験してもらおうと、オンライン教育企業はどこも無料の多人数生配信クラスや録画クラスを開設したことだ。次に、オフラインの教室が稼働できなくなったため、やむを得ず多くの企業がオンラインにシフトしたこと。オンライン教育にとっては大きな好材料であり、宣伝費を大きく節約できた。もうひとつ、今回の状況がもたらしたトラフィックは教育大手が昨年夏休みに数十億元かけて得た効果よりも遥かに大きく、ブランドの知名度が一気に上がったことだ。金額に換算すれば、業界全体で1000億元(約1兆6000億円)近い宣伝費を節約できたと思う」

ーー短期的にはかなりの好影響です。中長期的に見ても、こうした状況は続くのでしょうか。

「断言はできない。今後の3〜6カ月の推移は、保護者や学生が優れたサービスを体験できるかどうかによって決まる。長期的に見れば、やはりオンライン教育各社の教育モデルの競争になると思う。大事なのは、学生の成績を上げる、技能を身につけるというニーズに応えられるかどうかだ。それができて初めてオンライン教育企業として生き残れる」

「したがって私は今回の感染症を分水嶺だと捉えている。ユーザーはこの期間内に大量に新しいサービスを体験するからだ」

ーーオンライン教育市場の最終的な状態はどのようなものでしょうか。どのような企業が生き残るのでしょうか。

「教育は非常に広い概念だ。ユーザーの所得水準からすれば貧困層、中間層、富裕層があり、学生の成績からすれば悪い、中くらい、良いに分けることができ、これだけでも細分化された市場ができあがる。1社がこれらすべてを独占することはありえず、かならず多元化が進み、オンラインにより集中してくると思う」

「保護者が成績を求めるのなら、少人数クラスを選ぶことになるが、少人数クラスは規格品として提供できるものではないため、1社が70−80%ものシェアを独占するのは困難だ。おそらく最終的には、多人数クラスを運営する企業が10数社残る。少人数クラスの企業はより数が多く、大手といえるのは2〜3社のみで、残りのシェアはオフラインの小規模事業者が取り合うような形になるだろう」

ーーあなたが教育産業に入られてから12年が経ちましたが、業界、ビジネス、そしてこの世界に対する考え方は変わりましたか。

「私は大学生のときから新東方で講師のバイトをしていた。今考えているのは、学生にはより多くの情報を提供すべきだということだ。より多くの情報を入手してはじめて、学生は自分で情報を処理することを学ぶことができ、より複雑な出来事にも対処し、自分なりの社会に対する貢献ができるようになる」

「ここで大事なのは、誰が、どのような情報を提供するかということだ。だから教師は最も重要なファクターだ。教師は率先垂範し、学生に教えなければならない。中国の教育の問題は制度の問題ではなく、どうすればより多くの優れた人材を獲得できるのかということだ」

ーー今年の教育産業にある投資のチャンスはどのようなものでしょうか。

「オンライン教育が大きなトレンドであるのは間違いない。教育産業で最も稼げるのは、この業界を最も詳細に研究した人にほかならない。この業界はあまりにも複雑で、財務報告や公開情報だけでは核心に触れることができない」

「具体的には、次の3点を観察することが必要だ。まず企業の運営や組織構造の安定性はどうか、教師をうまく管理できているかどうかだ。教師の成果による歩合制よりも、組織構造による管理の方が安定性は高い。次に、当該企業の教育モデルの効果から、2~3年後の評価を予測することだ。最後に、実際に現場に行き、その企業の影響力とブランド力を調べなければならない。特に、その企業のユーザーへの影響力が重要だ」

(翻訳:小六)

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