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2月21日、「石頭科技(Roborock)」という企業が新興ハイテク企業専門の市場「科創板(スター・マーケット)」に上場し、寄り付き時に1株あたり470元(約7500円)を記録し、科創板の新記録となった。
同社は掃除ロボットの設計、開発、生産、販売を主要業務とする。主な製品はスマート家電に進出しているスマホ大手、「小米(シャオミ、Xiaomi)」社のOEMとして製造した掃除ロボットとコードレス掃除機だ。自社ブランドの掃除ロボットも同時に発売している。
2019年上半期、石頭科技の掃除ロボットのシェアは、中国国内のオンラインチャネルで23%、オフラインで26%となり、ともに「科沃斯(ECOVACS)」社に次ぐ第二位だった。掃除ロボットはセンサーの種類によりレーザー型、ロボットビジョン型に分けることができ、掃除ルート別ではルート学習型とランダム型がある。石頭科技製品にもレーザーセンサーとルート学習機能があり、同タイプの製品におけるシェアは1位である。
石頭科技は近年急成長してきた企業である。同社は2016年9月に小米向けの最初の掃除ロボットを発表し、同年の売上高は1.83億元(約30億円)だったが、2018年の売上高は30.5億元(約490億円)になり、わずか3年間で16倍に増えた。
同社の開発の中核メンバーはマイクロソフトやファーウェイなど著名な企業の出身者がメインで、自社で光学実験室、性能実験室、環境実験室、寿命実験室などを持つ。目論見書によると、同社は社員の60人にストック・オプション付与しており、うち48人が開発職だ。
しかし、目論見書からはリスクも浮かび上がる。石頭科技の株式発行価格は270元(約4300円)で、株価収益率は58.76倍だ。電気機械産業の平均が24倍でることから考えると、同社のこの数字はあまりにも高い。また、小米への依存度が高すぎるのも懸念材料だ。過去4年間の両社の関連者間取引額が石頭科技の売上高に占める比率は、100%、90.36%、50.17%、43.01%である。大きく下がってはいるものの、小米のブランド力、サプライチェーン、販売チャネルへの依存は依然として大きい。同社が自社ブランド製品を同時に売り出しているのもこの問題を意識してのことであろう。
「東方証券(ORIENT SECURITIES)」のレポートによると、中国では1980年代と90年代に生まれた人たちが消費の主力になり、また高齢化が進行したことにより、掃除ロボットの売上高は2022年に179億元(約2800億円)に達する見込みで、年平均成長率は26%となっている。
掃除ロボットから着手し、スマート家電に参入しようとする企業は多い。各種家電のなかで、掃除ロボットは部屋の情報を入手することが簡単で、ほかのスマートアシスタントと接続して使うのも便利なためだ。東方証券によると、掃除ロボットは今後多機能化し、スマート家電の可能性をさらに広げることが期待できるという。
アイキャッチは同社Youtubeビデオより
(翻訳:小六)
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