誰もが簡単に発信できるデジタル時代 ショート動画の普及によりコンテンツ産業も変貌

36Kr Japan | 中国No.1スタートアップメディア日本版

中国最大のスタートアップメディア、36Krの日本版です。先端企業の技術開発、業務提携、ファイナンス状況など中国の「今」を現地から届けるとともに、日本人向けの解説などのオリジナル記事を発信します。36Kr日本版を見れば、中国が分かります。

36Kr独自取材注目記事

誰もが簡単に発信できるデジタル時代 ショート動画の普及によりコンテンツ産業も変貌

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

ショート動画共有サイトやSNSを使って、誰もがコンテンツを発信できる時代になった。コンテンツ産業がこの先どのような変貌を遂げるのか正確に予想できる人はいないだろう。

WeChat公式アカウント(WeChat上で企業や個人が運営するアカウトのこと)のランキングサイトとして一躍有名になった「ニューランク(新榜、Newrank)」は設立5年あまりの会社だが、公式アカウントによるオウンドメディアやショート動画の大ヒットをその目で見てきた。先日、同社CEOの徐達内氏とコンテンツディレクターの張恒氏が36Krの取材に応じ、コンテンツ産業の今と将来についての考えを語った。以下はその抄訳。

広がるコンテンツ制作の間口

――まず昨年のコンテンツ産業全体のトレンドについてお聞かせください。

徐達内氏:「第一に、我々の想像をはるかに超えるスピードで文字から動画への移行が進んだことが挙げられる。第二に、この1年で黒字化したMCN(マルチチャンネルネットワーク)が増加したことだ。第三に、ますます多くの企業がメディアの運営を始め、産業におけるコンテンツの重要度が高まるなど、コンテンツと産業の結びつきがこれまで以上に鮮明になったことがある」

「そして第四に、コンテンツ制作の間口が広がったことだ。我々の調査で分かったことだが、農村部でショート動画を制作するユーザーの比率は都市部と比べて決して低くはない。理由は簡単だ。500字の文章を書くのは難易度が高いが、動画ならボタンを押すだけでいいという手軽さがあるからだ。これによりコンテンツ制作は一気に身近なものになり、地方都市ユーザーの多くもコンテンツ発信に加われるようになった」

TikTokと快手の根本的な違い

――ショート動画共有の二大プラットフォーム「抖音(Douyin、TikTok)」と「快手(Kuaishou)」の競争をどうご覧になりますか。

徐達内氏:「両者は配信方法やビジネスモデルにおいて大きく異なっている。根本的な違いは、アルゴリズムによる配信か、サブスクリプション型かという点だ」

「最も効率がよいのはアルゴリズムに基づく配信だ。ユーザーの大部分は何を見たらいいか自分でもよく分かっていないからだ。TikTokの運営会社バイトダンスは自社製品を運用する過程で、他の製品にも応用できる強力なアルゴリズムを蓄積してきた。とはいえアルゴリズムによる配信には弱点もある。直接サブスクリプションにつながらないことだ」

「逆に、快手はサブスクリプションに重きが置かれており、コンテンツ制作者には一定数のファンがついている。現在、TikTokのデイリーアクティブユーザー(DAU)は4億人を超えているが、快手がそのレベルに追いつくのも時間の問題だろう。そもそもDAUは指標の一つに過ぎず、最終的に重要になるのはユーザーを定着させられるかということだ」

ショート動画とWechat公式アカウント、それぞれの強み

――ショート動画の分野に注力するのに伴い、Wechat公式アカウント事業は縮小するのでしょうか。

張恒氏:「Wechat公式アカウント数の増加はすでに頭打ちだと思っている。成長市場から成熟市場に変われば、アカウントごとのアクセス率が低下するのは避けられない。ユーザー1人がフォローする公式アカウントが10件から100件に増えれば、それだけ注意力は散漫になってしまう」

「それに加えて、ショート動画の台頭もユーザーの注意力をそらす要因になっている。とはいえ、公式アカウントというビジネスエコシステムはこの2年でさらに成熟しており、我が社の売上高の大部分がWechatの公式アカウント由来だ。それに対して、ショート動画のビジネスエコシステムが十分に成熟するにはまだ時間が必要なため、ショート動画一本に絞ることはまずないといえる」

――ショート動画のエコシステムが今後公式アカウントをしのぐ可能性はあるでしょうか。

徐達内氏:「WeChatは生活インフラの一部だと自信を持って言える。私たちの生活と切り離せない決済サービスや人とのつながりなどは全てWeChatエコシステムの中にある。しかしTikTokのようなショート動画アプリはそうではない」

「WeChatは人とのつながりという人間の本質に近い部分に関わっているため、公式アカウント数が横ばいを続けたとしても、成熟を続ける中で新たなきっとチャンスが生まれるはずだ」

(翻訳・畠中裕子)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録