luckin coffeeがセルフ式マシンを導入 無人販売で事業拡大の加速を狙う

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半年前にその一端が報じられていたコーヒーチェーン「luckin coffee(瑞幸珈琲)」のセルフ式コーヒーマシンプロジェクトがこのほど、正式にお披露目された。

同社は今年1月にスマート無人リテール戦略を発表するとともに、セルフ式コーヒーマシン「luckin coffee EXPRESS(瑞即購)」と無人販売機「luckin pop MINI(瑞劃算)」をリリース。販売ネットワークの拡充と資産を軽量化するアセットライトを進める方針を示した。

EXPRESSは、スイスから輸入した「シェーラー(Schaerer)」製のコーヒーマシンを採用。原料にはイタリア国際カフェテイスティング協会(IIAC)で金賞を受賞したコーヒー豆とニュージーランド「アンカー(Anchor)」のミルクを使い、バリスタ世界チャンピオン(WBC)のバリスタがブレンドした。同社は、店舗と同じ購入体験を提供できると説明。アプリを使って注文し、マシンにスマートフォンをかざせば商品を受け取ることができ、ドリンクの品質や風味は店舗と変わらないと胸を張った。コーヒー飲料シリーズ「大師咖啡(Master Coffee)」だけでなく、茶飲料シリーズ「小鹿茶(Luckin Tea)」やホットチョコレート、ミルクなどのホットやアイスの飲み物が24時間提供可能で、「中国で最も豪華なスマートコーヒーマシン」と紹介した。

MINIは「オフラインでもオンライン価格で購入できる」ことをコンセプトとし、同社がプロデュースするフルーツジュースやコーヒー、ナッツ、スナックなどの商品を販売するほか、米ペプシやスイスのネスレ、フランスの「ルイ・ドレフュス(Louis Dreyfus)」など、世界の食品大手の商品も取り揃えた。マシンには音声認証と顔認証決済技術を取り入れ、あらかじめアプリ上で離れた場所から注文しておき、どのマシンからでも商品を受け取ることができる。オフィスや学校、空港、駅、ガソリンスタンド、高速道路のサービスエリア(SA)、居住区など、さまざまな場所に対応し、既存店舗のネットワークと相互に補完し合う。

同社は世界の商品サプライヤーとの提携を通じて、大量調達と特注生産によって好条件の調達価格を引き出し、EXPRESSで販売チャネルコストを抑えたことで、消費者が無人販売機で商品を「オンライン価格」で購入することを可能にした。この無人販売機の機能をさらに拡充させるため、機内にシェアモバイルバッテリーを組み込み、消費者の充電ニーズにも対応する。

同社が発表会で公表したデータによると、2019年末までに直営店舗数は4507店に達し、期初に掲げた「店舗数4500店」計画を達成した。「中国最大のコーヒーチェーンブランド」となり、累計利用者は4千万人を超えている。

勢力を拡大すると同時に、膨らむコストを抑えたいとする同社の狙いは容易に見てとれる。低コストのセルフ式コーヒーマシンと無人販売機を導入したことで、テナント料と人件費を削減することができた。中国の決済大手「ラカラ(Lakala)」やPCメーカー大手「レノボグループ」を傘下に持つ「聯想控股(Legend Holdings)」が出資する投資ファンド「考拉基金(Koala Fund)」パートナーの丁柏然氏はかつて、スマートセルフ式コーヒーマシンの粗利率は高く、単体での収益モデルが優れているため、わりあい理想的な投資対象であると語っていた。

だが、セルフ式コーヒービジネスに目を付けたのは同社だけではない。この分野においては、「小咖(MINICAFE)」「咖啡零点吧(coffee 0.8)」「友飲(Uin Coffee)」「咖啡碼頭(MATTBURG)」「咖啡之翼(wing cafe)」などの手ごわいライバルがすでに活躍している。

小咖は、クローズド・半クローズドの比較的狭い空間での利用シーンを主力とし、マシンは小型で低コストだ。オープンスペース向けを主力とする咖啡零点吧と友飲は、比較的コストの高い大型設備を導入しており、1台当たりの設備コストは2~3万元(約31~47万円)。luckin coffeeは設備コストを公表していないが、「それ以上に豪華」なスペックからみて、ライバルたちより高いかもしれない。それでも、出店するよりはコストが低く抑えられ、分散配置と拡張もしやすいというメリットがある。

一方、無人販売機は18年の業界再編後、多くのプレーヤーが淘汰されていった。生き残った会社も経営状況は厳しい。この時期に無人リテール事業へ参入するluckin coffeeが、心を動かす新たなストーリーを語れるかどうかも議論する価値がある。
(翻訳:貴美華)

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