乱立する中国EVメーカー、生き抜くことが当面の急務 トップ3に残れる企業はどこか?

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今年1月6日、O2Oプラットフォーム「美団(Meituan)」の創業者王興氏は、ソーシャルメディア「飯否網(fanfou.com)」に文章を発表し、中国国内の自動車業界で最終的に生き残れるのは「3+3+3+3」社の自動車企業だけだとの見解を示した。

同氏の言う「3+3+3+3」社とは、中央企業の「一汽(中国第一汽車集団、FAW Group)」、「東風汽車(Dongfeng Motor)」、「長安汽車(Changan Automobile)」の3社、地方国営企業の「上海汽車(SAIC Motor)」、「広州汽車集団(GAC Motor)」、「北京汽車集団(BAIC Group)」の3社、民間企業の「吉利汽車(Geely Automobile)」、「長城汽車(Great Wall Motor)」、「比亜迪(BYD)」の3社、スタートアップの「理想汽車(LEADING IDEAL)」、「蔚来汽車(NIO)」、「小鵬汽車(Xpeng Motors)」の3社だ。

この情報が流れると、電気自動車(EV)メーカーの「威馬汽車(WM Motor)」のトップである瀋暉氏は快く思わなかった。1月7日、かつて吉利汽車にメスを入れ、「ボルボ」のM&Aを成功させた自動車界の大御所は、中国版ツイッター微博(Weibo)で王興氏との「賭けに出る」とエアバトルをしかけ、さらにはネットユーザーを立会人として招き入れ、「威馬汽車は必ずスタートアップTOP3に残る」と宣言した。

生産力、販売量に強い企業はどこか

どの企業がTOP3に生き残れるかという最終決戦の判定については、人それぞれ異なる基準があるだろうが、カギとなるデータ分析は避けて通ることができない。

なかでも、納車台数が重要な基準となる。現在、スタートアップのうち納車段階に入っているのは蔚来、威馬、小鵬、「哪吒汽車(Neta)」、「零跑汽車(Leap Motor)」などの十数社だ。そのうち、蔚来、威馬と小鵬の3社だけが日本の自賠責保険にあたる自動車交通事故責任強制保険への加入が1万台を突破している。

データから見ると、2019年、蔚来の保険加入台数は年間2万749台でトップ。これに続き威馬が1万6876台で2位、小鵬が1万6608台(総販売台数)で3位となっている。

だが今年1月には、理想ONEが蔚来ES6(1483台)に次いで1207台(保険加入台数)で2位となり、威馬EX5(808台)と小鵬G3(1073台)を抜いている。

データ出所:公開情報 未来汽車日報作成

しかし、瀋暉氏は、現段階ではスタートアップはいずれもスタートしたばかりで、重要なのは従来の自動車市場で自らのシェアを得ることであり、そうした企業だけが生き残れると見ている。

データ出所:威馬汽車公式サイト

利益よりも「生き残ること」が当面の急務

生産力と販売台数のほかに、いつ収益を上げることができるのかもスタートアップの実力を量る上で大切なプロセスだ。スタートアップの多くが生産力の向上や販売台数に関してまだ不十分な段階にあり、この点から見ると、黒字であることは非常にぜいたくな目標でもある。

瀋暉氏は以前、10万台を納車することが、威馬汽車の生き残りに関わるデッドラインだと話している。

2020年はスタートアップ企業にとって重要な年となる。新エネルギー自動車の補助金政策がすべてなくなり、多国籍企業が中国で合弁企業を立ち上げ、EVを集中的に市場に投入、現地自動車メーカーの第2世代EVも市場参入するとみられ、競争はますます激しさを増している。何小鵬氏はかつて、2020年までにスタートアップの納品台数が数万台規模になったときが、市場の分岐点になるとの認識を示している。

スタートアップ企業にしてみれば、黒字モデルを模索すると同時に、「生き延びる手だて」を探すほうがより重要である。

現時点で、累計調達額が230億元(約3500億円)を超えた威馬汽車は、シリーズDでの調達が遅遅として進展がない状態だ。他の3社は資金の面ではゆとりがある。先日、蔚来汽車の100億元(約1500億円)の調達に関する「公式宣言」は好材料となった。また小鵬汽車の経営層に近い投資側関係者はこのほど36Krの取材を受け、小鵬汽車の手元資金は2020年末までは問題ないとの認識を示した。理想汽車は昨年8月にシリーズCで5億3000万ドル(約560億円)を調達した後、全速力でIPOの手続きを推し進めているところだ。

データ出所:理想汽車公式サイト

中国のEV市場の競争をかき乱す「活力ある」テスラは、わずか10カ月ほどで上海のギガファクトリーの建設を行ない、中国生産のModel3の販売価格を29万9000元(約460万円)にまで引き下げた。これは、若い中国のスタートアップメーカーにしてみれば、あらがいようがない「悪夢」にほかならない。

現在、突然襲ってきた新型コロナウイルスの感染拡大によって、テスラのスタートアップへの衝撃はいくぶんか和らぎ、より多くの時間稼ぎができているものの、この新型コロナウイルスは新車量産後まもないスタートアップが直面している課題ともなっている。

ビジネスは孤立した駆け引きではなく、より現実的な長距離走である。2020年、すべてのメーカーが生死を分けた戦いに直面することになるだろう。
(翻訳:lumu)

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