ニュースアプリ内で美団のデリバリーなど利用可能へ バイトダンスの「今日頭条」がスーパーアプリの理想実現か

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工場の製造ラインかのごとくアプリを開発し続ける「バイトダンス(字節跳動)」は、SNSの「WeChat」やアリペイに比肩しうる影響力を持った「スーパーアプリ」を育てるのが夢だ。その中の一つ、大人気のニュースアプリである「今日頭条(Toutiao)」は3.26億のMAU(月間アクティブユーザー数)を誇り、「スーパーアプリ」の目安となるMAU7億に向けて前進を続けている。

今日頭条はこのほど、「在宅」というタブを新たに追加した。タブ内には自宅での調理、手芸、フィットネス、就活、オンライン教育のほか、デリバリー、薬や食材の買い物代行、マスク情報と10のページがある。今日頭条はこの新しいサービスで、情報コンテンツプラットフォーマーから生活支援サービスに業務を広げ、ユーザーの利用時間を増やし、情報からサービスに直結するようなビジネスモデルの構築を目指していると思われる。

新しいタブからは外部各社のサービスにアクセスできる。今日頭条のアプリ内に大規模なクラシファイド広告を追加したようなものとなり、スーパーアプリを目指す同社の決意が見え隠れする。

情報アプリの変化

実際に「在宅」タブを選択してみると、各種サービスの案内が表示される。そのなかから必要なものをタップすると、ユーザーの位置情報取得した後に、自動的に外部サービスのリンクが表示され、または今日頭条アプリ内のミニプログラムに跳ぶようなっている。現在使用できる外部サービスには、生鮮ECの「美菜(meicai)」、薬品O2Oプラットフォームの「叮当快薬(ddky)」、デリバリーの「美団(MEITUAN)」、音声配信の「喜馬拉雅(Ximalaya)」、ソーシャルフィットネスプラットフォームの「keep」などがある。

しかし、各サービスのページにアクセスしても、今日頭条のアカウントをそのまま使うことができるわけではない。サービスを利用するためには、当該アプリのアカウントを新規開設するか、ログインしなければならず、商品の選択画面と決済方法も、各サービス自身のアプリと全く変わらなかった。

つまり、今日頭条はリンクを貼っただけなのである。自らのトラフィックを外部のプラットフォームに提供することで、今日頭条自身の使用時間を増やすことを目指しているのだ。

今日頭条は情報コンテンツプラットフォームとしてスタートしたが、その後バージョンアップと機能追加を繰り返し、アプリの位置づけを変えようと努力してきた。例えば、2018年5月、今日頭条はスローガンを「あなたが知りたいものこそが頭条」(注:「頭条」は中国語で「トップニュース」の意)から、現在の「情報が価値を創る」に変えている。

2019年から、頭条は同じく字節跳動傘下の動画サイト「西瓜視頻(ixigua)」のコンテンツをより多く載せるようになり、アプリ内のミニプログラムの開発も急ピッチで進めている。このような変化によって自身の可能性を証明しようとしているのだ。また、伸び率は鈍化しているものの、それでも充分な規模であるトラフィックの収益化もにらんでいるのである。

スーパーアプリの「サイフォン効果」

誰もが市場を独占したいと考える。それはインターネット企業とて例外ではない。

前例を見てみると、アリババ、美団、バイドゥ(百度)はすべてプラットフォーム上に多数のミニプログラムを組み込むことで、スーパーアプリとなることができた。WeChat、アリペイ、微博も同様で、サードパーティが提供するサービスを積極的に導入し、総合的なプラットフォームになった。

左から順にアリペイ、Wechat、美団、微博

今日頭条の戦略をこれらのプラットフォームと比べると、美団が最も近いといえる。美団は自社が手掛けるサービスをすべて一つのアプリにまとめており、現在自転車シェアリング、美容室予約、買い物代行、小口資金融資などのサービスが利用できる。さらに、最近「中国電子科技集団(China Electronics Technology Group)」、中国の関連省庁とともに、「暢行碼」というQRコードサービスを開始した。これは新型肺炎対策の一環であり、感染していない人にQRコードを発行し、自由な移動を許可するものである。WeChat、アリペイはすでに同様のサービスを始めている。このような戦略はトラフィックを増やすという点で非常に大きな成果を挙げた。

しかし、美団が最初から生活支援サービスに注力してきたのに対し、今日頭条は外部のサービスを利用することで、情報コンテンツという異なる分野から生活支援サービスに参入してきたのである。その意味で今日頭条は異質であり、注目に値する。

今日頭条は情報の講読以外に、ユーザーにより多くのことを同じアプリで行うように誘導していきたいだろう。しかし、現時点での使用感はまだ快適とはいえず、スーパーアプリならではの「サイフォン効果」を実現するための道のりはまだ長い。

(翻訳:小六)

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