バイドゥ自動運転パートナーの「新石器」、シリーズA+で資金調達 EVメーカー「理想汽車」が大株主に

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自動運転車開発スタートアップの「新石器(NEOLIX)」が2月にシリーズA+で2億元(約30億円)近い資金を調達したことがわかった。リード・インベスターはスマート電気自動車(EV)メーカーの「理想汽車(LEADING IDEAL)」、コ・インベスターはシリーズAで出資した「雲啓資本(YUNQI PARTNERS)」などが加わり、「騰達資本(Paradigm Advisors)」が財務顧問をつとめた。調達した資金は無人自動車の量産と実用化に利用するという。

新石器は2018年4月に「車和家信息技術(のちの理想汽車)」と「元禾原点(Oriza Seed)」からエンジェルラウンドで資金を調達。2019年5月には雲啓資本と耀途資本からシリーズAで1億元(約15億円)近くを調達している。今回の資金調達後は理想汽車が持ち株比率を高め、創業者である余恩源CEOに次ぐ第二の株主となる。

同社は2018年に設立。主にL4クラス自動運転の短距離貨物車を開発している。現在は無人配送(主に団体向け食事の配送)、移動販売(ファストフードやコーヒー等)、セキュリティ(各地の自治体と提携)の3つのシーンで実用化を進めている。

今回の新型肺炎流行期間中、同社は18台の無人自動車を武漢の医療機関や「社区」(中国独自の地域コミュニティ、行政単位)に派遣して物資の配送を行った。そのほか50台の無人自動車を他の都市の肺炎対策最前線に派遣し、体温観察や噴霧消毒、物資の配送などを行っている。

同社は2019年、江蘇省常州市に年間生産台数1万台の工場を建設。余CEOによると同社は設立以来、研究開発に3億元(約45億円)近くを投じており、過去2年間で無人自動車の累計生産・納車台数は225台に上った。顧客はインターネット企業や海外企業(UAEのネット通販「Noon」やスイスの郵便事業会社スイスポストなど)、今年の目標販売台数は1000台で通年での黒字化を目指す。

無人自動車の配送効率は現時点では配達員に及ばないが、団体向けの注文に対応できる強みがある。1人の配達員が一度に配達できる量は多くても10数人分だが、無人自動車では50~100人分の食事を配達することができる。現在、同社は「小恒水餃(XIao Heng Dumplings)」や「眉州東坡(MEI ZHOU DONG PO)」などの飲食企業と団体向け注文の配送で提携している。

余CEOは以前取材では、アリババやEC大手「京東集団(JD.com)」、O2Oプラットフォーム「美団点評(Meituan Dianping)」のような大企業と比較した自社の強みをこう語っている。新石器は新事業でブレイクスルーするのに最も適しているという。大企業には大企業ゆえのしがらみがあるからだ。「例えば美団の無人自動車はデリバリーしかできず、移動販売のようなサービスは行わないだろう。京東は宅配便を配達することがあってもフードデリバリーを手がけるモチベーションはないだろう」。

注目すべきなのは、新石器は設立から今までこれらの大企業とも提携関係にあることだ。IT大手バイドゥ(百度)傘下の、自動車業界・自動運転分野を対象としたソフトウェアプラットフォーム「アポロ(Apollo)」の一員でもあり、美団や京東、アリババにも無人自動車を販売したことがある。ファーウェイとは5G通信技術で提携している。余CEOは現在、無人配送業界はまだ初期段階にあり、各企業が協力して業界の発展に努める必要があると言う。「業界が拡大すれば必ず厳しい競争が起こるはずだが、勢いさえあれば少なくとも競争に参加することはできる」

「我々の使命は業界で初めにビジネスモデルを確立することだ。AI無人自動車サービスという業界を切り開く。それができたなら、他の企業に負けたとしても悔いはない」と語った。

(翻訳・山口幸子)

アイキャッチ写真は新石器より

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