海外失速のファーウェイ HMS搭載の新機種 当面中国国内販売が主軸に

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業編集部お勧め記事注目記事

海外失速のファーウェイ HMS搭載の新機種 当面中国国内販売が主軸に

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国通信機器最大手のファーウェイは北京時間3月26日夜、新製品発表会を開催し、今年上半期のフラッグシップモデル「 P40」シリーズを発表した。

P40シリーズ最大のセールスポイントは優れたカメラ性能だが、海外ユーザーの選択の鍵を握るのはグーグル・モバイル・サービス(GMS)に代わって搭載されたファーウェイ・モバイル・サービス(HMS)だろう。

昨年下半期以降、米国政府による事実上の禁輸措置を受け、ファーウェイのスマホにはGMSが搭載できなくなった。GMSにはGoogle検索やGmail、Google Maps、YouTube、Google Play Storeなど海外ユーザーが高頻度で利用するアプリが含まれる。GMSの提供を止められたファーウェイは、海外市場での事業展開が難しくなった。昨年9月発売の「Mate 30」シリーズに対する欧州市場の冷ややかな反応がその証だ。

ファーウェイも、 いつになるか分からないGMSの提供再開を待つわけにはいかず、昨年8月に開催した開発者大会(Huawei Developer Conference)で独自のモバイルサービスHMSを初公開した。HMSにはファーウェイ独自のアプリストアや電子ウォレット、地図、メールサービスなどモバイルサービスの基本となるアプリが含まれる。

HMSの強化を続けるファーウェイ

ファーウェイは今年の年初以来、HMSエコシステムの構築を加速している。1月16日には最新のアプリ開発プラットフォーム「HMS Core 4.0」を発表。同社の消費者向け事業グループ(Huawei Consumer BG)はHMSエコシステムの構築を担当するグローバル・エコシステム発展部門を設立した。

2月にはHMSの主軸となるアプリストア「HUAWEI AppGallery」をリリース。さらに重要なのは同月、HMSの海外市場向けリリースが始まったことだ。ファーウェイはサブブランド「Honor(栄耀)」の「Honor V30 Pro」と「Honor 9X Pro」にHMSを初搭載し、欧州市場向けに発表。HMSは公式に市場の検証を受けることになった。ファーウェイが3月に発表した最新機種P40シリーズにも前述の通りHMSが搭載されている。

HMSは現在、170の国と地域をカバー。130万人の開発者と協力パートナーを擁し、月間アクティブユーザー(MAU)は4億人に達している。

ファーウェイは今回の発表会で、動画視聴サービスの「HUAWEI Video」や音楽配信サービスの「HUAWEI Music」、電子書籍サービスの「HUAWEI Reader」などのアプリを海外向けにリリースすると発表した。これに先立ち、HUAWEI AppGalleryやスマートアシストサービスの「HUAWEI Assistant」、クラウドストレージサービスの「HUAWEI Mobile Cloud」、ブラウザサービスの「HUAWEI Browser」、ホーム画面のテーマを切り替える「HUAWEI Themes」などのアプリがすでに海外向けにリリースされていた。ファーウェイの発表によると、各アプリのMAUは現在、HUAWEI Themesが8000万人、HUAWEI Assistantが1億8000万人、HUAWEI Browserが2億7000万人、HUAWEI Mobile Cloudが1億8000万人となっている。

HMSへの移行は容易でない P40シリーズも中国国内販売が主軸に

GMSに含まれるアプリと同等のアプリをファーウェイが迅速に開発することは可能だ。だがYouTubeやGmailのように高い人気を誇る十分に成熟したアプリのユーザーをHUAWEI VideoやHUAWEI Emailに移行させるのは難しい。

GMSからHMSへの移行はさらに難しい。HMSは非常に複雑なシステムで、HMS Appsの他「HMS Core」、「HMS Capabilities」、「HMS Connect」および開発・テスト用のIDE(総合開発環境)ツールが含まれているからだ。

HMSを搭載したスマートフォンのアーキテクチャ 画像は天風証券(TF Securities)

ファーウェイは多くの開発者を集めるなどの努力をしているものの、道のりは険しいと言わざるをえない。米調査会社「ガートナー(Gartner)」のアナリストは、海外ユーザーはグーグルのアプリを使い慣れているため、HMSが海外市場で受け入れられるのは難しいと指摘している。

以上のことから、HMSが短期間でGMSの穴を埋めるのは難しいと考えられる。さらに、欧州や中東などにおける新型コロナウイルス感染症の流行が深刻なことも、P40シリーズのプロモーションや販売にマイナスの影響を及ぼしている。一方、中国国内では感染状況は収まりつつあり、サプライチェーンも末端消費も徐々に回復している。加えて、中国国内市場はGMSの使用禁止に影響されない。

P40シリーズのみならずファーウェイのスマホ事業全体の拠点は、やはり中国市場になるだろう。昨年5月に米国商務省から輸出禁止措置を受けて以降、ファーウェイは海外市場で大打撃を被り、重点を中国市場に移した結果、昨年第3四半期には中国市場で圧倒的シェアを記録した。中国市場における急成長が、昨年通年の販売台数の成長率維持に一役買った。海外の深刻な新型コロナウイルスの流行状況やGMSの使用禁止を受け、中国市場を守ることがより重要になってくるだろう。
(翻訳・田村広子)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録