4月13日、上海市政府が公式ウェブサイト上で「オンライン・ニューエコノミーの発展促進のための上海市行動計画 2020-2022年（上海市促進在線新経済発展行動方案）」（以下「計画」）を公開した。

計画では「オンライン・ニューエコノミー」について、人工知能、5G、インターネット、ビッグデータ、ブロックチェーンなどのスマートインタラクティブ技術と、次世代製造業、ビジネスファイナンス、娯楽消費、教育、健康、流通、モビリティとを高度に融合させ、オンライン、インテリジェント、インタラクティブという特徴を備えた新しい業態、新しいモデルと定義する。

資料によると、上海市が今後3年間で重点とするのは以下の12業種だ。

オンラインエンターテインメント

音声配信や短編動画配信、ライブ配信など視聴覚メディアの発展を加速させるほか、インターネットゲームやモバイルゲーム、オンライン文学、アニメーション、eスポーツなどのインタラクティブなエンターテインメントをさらに発展させる。

オンラインファイナンス

ローンの申込・更新・返済、投資や資産運用、損害賠償などのサービスのオンライン化を促進し、金融とAI、ビッグデータ、ブロックチェーンとの融合を模索する。

生鮮食品EC

ネットスーパーや「智慧微菜場（産地直送スーパー）」網の構築、無人スーパーやスマート自販機の増設、ライブコマース、ソーシャルコマース、コミュニティコマースなどの新業態を奨励する。

非接触配送

小売、医療、飲食業などへ無人配送利用を働きかけ、低温流通体系、時間指定配達、夜間配達を後押しし、無人配送ツールを発展させる。

テレワーク

境界がなく、どんな場面でもコラボレーション可能な新しいテレワークのモデルを開発し、テレワークを社会に根付かせる。

次世代モビリティ

コネクテッドカーの実用化、カーシェアリングの促進、自律走行タクシーなどの新しいモビリティモデルを模索する。

オンライン教育

「上海微校」や「空中課堂」のようなオンライン教育ブランドをローンチし、「単位バンク制度」を構築する。

スマート製造

工場、生産ライン、作業場100カ所以上を全自動化し、フレキシブル生産、クラウド生産管理、遊休設備のシェアリングなどの新しい製造モデルを重点的に発展させる。

インダストリアルインターネット

大企業の社内専用ネットワーク構築を支援し、全国的な影響力を持つインダストリアルインターネットプラットフォームを20件構築する。

オンライン医療

インターネット病院の開発促進、医療保険モバイル決済の試験導入、5Gを使った遠隔診療や手術、診断や医薬品開発などでのAI活用を促進する。

クラウド研究 / 設計開発

クラウドイノベーション、ナレッジクラウド、クラウドソーシング、クラウド設計、技術取引プラットフォームなどの構築を推進する。

オンライン商談

会議、展示会、ショールームのオンライン化を推進する。

上海市はイノベーション型先進企業10社程度を重点的に支援すると同時に、100社以上を目標に急成長型スタートアップの育成支援を加速させる。

計画の中に「オンライン」という言葉が頻出するのは、この分野の展望を表したものでもある。中国の調査会社「QuestMobile」の調査によると、中国で新型コロナウイルス感染症の流行が顕著になった1月23日～2月3日の間に、モバイルインターネットのDAU（デイリーアクティブユーザー、1日のアクティブユーザーの数）は史上最高を記録した。情報入手、生鮮食品や日用品の購入、在宅勤務や自宅学習などが、全てのインターネットの使用時間を大幅に引き上げた。

コロナ禍が去った後も、オンラインのニューエコノミー企業は優遇政策の下で急速に発展し続けることが有望視される。上海で代表的なニューエコノミー企業と言えば、動画共有サイト「ビリビリ動画（bilibili）」、音声コンテンツ配信の「喜馬拉雅（Ximalaya）」、生活関連O2Oサービス「美団点評（Meituan Dianping）」、ソーシャルECの「拼多多（Pinduoduo）」や「小紅書（RED）」、EVメーカー「蔚来汽車（NIO）」などが挙げられる。以下に弊社がまとめた上海のニューエコノミー企業名（順不同）を列記する。

（翻訳・永野倫子）

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