中国概念株にまたも衝撃 オンライン教育「跟誰学」に売上高70%水増しの疑い 

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中国概念株にまたも衝撃 オンライン教育「跟誰学」に売上高70%水増しの疑い 

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4月15日夜、空売り投資家として知られる米シトロン・リサーチは中国オンライン教育プラットフォーム「跟誰学(GSX Techedu)」に関するリポートを発表、同社が売上高を70%水増しするという大規模な不正を働いたとして、直ちに同社株の取引を中止し内部監査を行うべきだとした。

リポートの発表直後、跟誰学の株価は10%急落し、時価総額50億元(約760億円)近くが吹き飛んだ。終値は0.64%安の31.2ドル(約3400円)で、時価総額は74億ドル(約8000億円)となった。売買代金はIPO以来最高額となる5億4300万ドル(約590億円)を記録した。

同じく空売り投資家のGrizzly Researchが最初に跟誰学の不正会計を指摘した2月25日以来、同社株は45ドル(約4800円)から31ドル(約3300円)へと三分の一も値下がりしており、時価総額234億元(約3600億円)以上を失っている。

作図:36Kr

跟誰学側はすぐさま声明を発表し、不正会計は事実無根だと否定した。さらにリポートの内容からして同社の収益構造を全く理解していないと指摘し、悪意を持って投資家や世間をミスリードする意図が明らかだと非難した。

シトロン・リサーチは一部有料会員のIPアドレス分析を行い、20%のレッスンを実際に体験した上で今回のリポートを作成している。

リポートの中で指摘されているのは、跟誰学が市場やランキングで話題に上らなかったことだ。昨年6月のIPO以前、同社は市場でほとんど注目されることがなかった。それが突然のニューヨーク市場上場である。目論見書の財務データは非常に優秀で、競合企業である「新東方教育科技集団(New Oriental Education & Technology Group)」「新東方在線(KOOLEARN Technology Holding)」「好未来教育集団(TAL Education Group)」の年間成長率が50%ほどなのに対し、跟誰学は432%もの伸びを記録している。同業他社に比べて業績がこれほど突出していれば、市場で話題にならないはずがない。

画像はリポートより

中国消費者報社が行った「オンライン教育における消費者体験の調査」では、オンライン教育大手が軒並みランクインしていたものの、跟誰学の名は見当たらなかった。オンライン教育に関するさまざまなリポートを見ても、同社に言及されているものは一つもなかった。

また跟誰学は一般講師の10倍の効果を上げるカリスマ講師を抱えているとしているが、これらカリスマ講師との正式な契約は交わされておらず、跟誰学以外での活動は一切確認できていない。

画像はリポートより

シトロン・リサーチが跟誰学のデータから18プログラムをサンプルとして抽出し、その利用者数と売上高との比率を全体に当てはめて計算したところ、2020年第1四半期(2020年1月~3月)の売上高予想は3億1600万元(約48億1500万円)となった。2019年第4四半期の売上高7億7300万元(約118億円)と比べると60%も少ない数字になっている。

画像はリポートより

跟誰学は四半期ごとに売上高が倍増したとしているが、それを考慮に入れると売上高を70%も過大に計上していたことになる。

Grizzly Researchも指摘していた点だが、不正会計を行っている企業に共通しているのは、SEC(米国証券取引委員会)に提出する財務データが信用情報報告書より圧倒的に優れていることだ。跟誰学の信用情報を取得して比べたところ、系列の運営組織7社の2018年における純利益が74.6%も過大に報告されていた。

画像は空売りリポートより

売上高に関しては、SECに提出したデータと信用情報報告書の差異は2%以内にとどまっていた。つまり跟誰学が主張する収益能力は全くの虚偽であり、財務諸表は信頼性に欠けるということだ。

シトロン・リサーチによれば、一級、二級都市と呼ばれる大都市では跟誰学を知らない保護者が非常に多いという。跟誰学側は、利用者の大部分は地方都市在住で、地方市場を掘り起こしたことが急成長につながったと主張しているが、調査では有料会員のうち武漢市とその周辺の生徒が半数を占めていることが分かった。

跟誰学の主張とは異なり、実際には相当数の利用者が大都市在住だ。食い違いが生じる理由として考えられるのは、一つにシトロン・リサーチの調査したサンプル数が少なく、実情を反映できていないということ。もう一つは、地方都市中心に展開していると主張している跟誰学が虚偽を語っていること。そもそも地方都市市場は価格に敏感だ。業界内でも跟誰学の商品は高価格帯に属する。同様のオンライン教育サービスが複数あったとして、消費者がまず選ぶのは手頃な価格のものだろう。さて、筋が通っているのはいったいどちらだろうか。
(翻訳・畠中裕子)

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