米中VCサミット、ポストコロナの経済を占う

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米国「オマハバリュー投資教育研究センター(Omaha Value Investment Education and Research Center)」は5月2日、「2020年第5回米中ベンチャーキャピタルサミット」をオンラインで開催した。

オマハバリュー投資教育研究センターは、「中国科学院ビッグデータマイニング・情報管理重点実験室(Key Laboratory of Big Data Mining and Knowledge Management)」の主任である石勇教授などが設立、ウォーレン・バフェットらが提唱するバリュー投資の理念に従い若い創業者やスタートアップ企業の啓蒙に当たり、米中両国の投資家と企業家の交流を図っている。毎年、バークシャー・ハサウェイ社の株主総会の前日に、米中ベンチャーキャピタルサミットを開催している。今回は16万近い人々がライブでサミットを見守った。

2019年から生じていた一次市場での資金不足や投資案件の激減に加え、新型肺炎がさらなる打撃を経済に与えたが、このサミットでは将来の課題やチャンスについての分析が行われた。マクロ的視点から見ると、金融市場は低迷し続け、新たな金融危機を招く恐れがある。経済成長を促すために、中小企業のサポートと新型インフラの建設が鍵となる。

中小企業と個人経営者のサポートは雇用の確保のためだ。「中国友成企業家扶貧基金会(China Social Entrepreneur Foundation)」の湯敏常務副理事長は、インターネット銀行の役割が大きいと語る。例えば、アリババ傘下のネット銀行「網商銀行(MyBank)」の顧客は1746万人に上り、4年間の累計融資額は3兆元(約45兆円)で、顧客の80%が複数回の利用者だ。これらの顧客の1回当たり平均貸付額は5万元(約75万円)に満たないため、他の銀行からは相手にもされないが、こうしたインターネット銀行の存在が正に国民経済を支えているのだ。湯氏はこうした新たな手法でサポートを強化すべきだと考えている。

新たな経済の担い手としての期待がかかる新型インフラとは、5G基地局、特別高圧電力、都市間高速鉄道とライトレール、新エネルギー自動車充電スタンド、ビッグデータ・センター、人工知能、産業用インターネットの7大分野を指す。「晨越建設項目管理(Chengyue Project Consulting)」の王宏毅氏によれば、新型インフラは、短期的には中国経済を安定させる鍵を握る。特に今年第1四半期のGDP成長率がマイナス6.8%と大減速した中で、新型インフラは就業機会を提供し下支えの役割を果たす。長期的には、新型インフラの新技術は旧インフラの不備を様々な形で補うことになる。投資の際に注意すべきなのは、いかにして固定資産への投資と証券化を効率的に行い、既存産業の中で新たな投資機会を見出すかだ。

投資の対象について、今回のサミットで最も多く使われたキーワードが「テクノロジー」と「医療」だった。

「経緯創投(Matrix Partners China)」の黎竹岩副社長は、目下の関心は宇宙産業に向いていると語る。同氏によれば、6Gとは「5G+衛星」だからだ。宇宙への投資は詰まるところ、軌道上の周波数帯リソースの争奪戦になる。中国が2027年までに独自の「スターリンク計画」を立ち上げないのであれば、競争に生き残れないだろう。このように、宇宙には大きな投資機会が存在する。

「Palm Drive Capital」の共同設立者の一人Seamon Chan氏は、インターネットテクノロジーに投資を続けた結果がコロナの流行中に現れたと語る。科学技術分野へのベンチャー投資が長期的な影響を被ることはなく、逆にコロナ流行期間にも正にテクノロジーのゆえに、医療、高齢者介護、モビリティ、インターネット・セキュリティ企業が一層の成長を遂げた。どの分野でも科学技術は必ず革新をもたらす。優れたスタッフ、ビジネスモデル、テクノロジーが揃う企業は必ず成功する。

2020年はまた「医療投資」の年となるだろう。突如発生したパンデミックは、医薬や医療への投資が堅実な投資であることを実証した。

「銀山集団基金管理」の共同経営者、張悦氏の意見によれば、新型肺炎の流行はワクチン、新薬、新たな治療法の研究開発を促すことは事実だが、反グローバル化や国の医療改革に目を向けることの方が長期的な意義を持つ。わずか数年の間に先進的医療に関連した製造業が中国に移ったため、中国の先進医療、製造能力、新薬の開発能力は向上した。さらに政府による奨励政策もこれを一層後押しした。その次にやって来るのは自主開発と国産製品による代替だ。そのため、投資対象として医療情報化、医薬の流通、医療Eコマースなどが有望になるはずだ。

(翻訳・近藤)

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