コロナがさらなる追い風に 住宅地向け共同購入EC「十荟団」がシリーズCで90億円を調達

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コロナがさらなる追い風に 住宅地向け共同購入EC「十荟団」がシリーズCで90億円を調達

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地域コミュニティー向け小売プラットフォームを手掛ける「十荟団(NICE TUAN)」がシリーズC1で8140万ドル(約88億円)を調達した。リードインベスターは「紀源資本(GGVキャピタル)」、コインベスターは「愉悦資本(Joy Capital)」「啓明創投(Qiming Venture Partners)」「渶策資本(INCE Capital)」「高鵠資本(Cygnus Equity)」。高鵠資本は財務顧問も務めた。

十荟団はコミュニティー(中国語で社区)向け共同購入業界で初めてシリーズCでの資金調達に進んだ企業だ。創業から2年近くで4度の資金調達に成功し、調達額は累計1億ドル(約110億円)超に達する。著名な投資機関や株主が投資家リストに名を連ねており、アリババも2019年以降、同社に2度の出資を行った(詳細情報は非公開)。このほか、愉悦資本、啓明創投、渶策資本も出資者の常連メンバーとなっている。

コミュニティー向けECは登場から4年余りの間に数度の波乱を経験してきた。同サービスは2016年に湖南省長沙市で人気を博し、翌年には全国各地に広がった。2018年8月以降、同業界での資金調達の情報が頻繁に伝えられており、十荟団、「你我您社区(Ni Wo Nin Shequ)」などのトップ企業が資本家からの熱い視線を集めていた。

だがそんな好調ぶりも長くは続かず、コミュニティー向けECは昨年以降、苦境を経験する。初期の参入企業の間では淘汰が進み、トップ企業は次々と合併することで実力を強化し、冬の時代を乗り切ってきた。十荟団は昨年8月30日、上述の「你我您」との合併を実施し、同業界初の合併事例と称されたほか、京東(JD.com)と「蘑菇街(MOGUJIE)」による合弁企業「微選特供」は「鮮来多(Xianlaiduo)」に社名変更し、事業を縮小し生鮮食品分野に特化するようになった。

十荟団の資金調達情報の一部。図は企業情報検索サイト「天眼査」より

冬の時期を乗り越えた十荟団は新たな調整期に入った。十荟団の共同創業者で連席CEOの陳郢氏は你我您との合併の際に同社の新たな組織構造について発表した上で、「生まれ変わった当社は今後1000億元(約1兆5000億円)規模の企業に成長するだろう」と述べている。

陳郢氏は前回の資金調達の際、コミュニティー向け共同購入は現時点で生鮮ECの中で唯一利益を生み出せるビジネスモデルと述べ、これをベースとした生鮮食品、ソーシャルコマース、地方都市、オフライン店舗という四つの新たな発展の方向性を提起した。このほか、今後はより多くの企業と共にコミュニティー向け共同購入業界の持続的発展を推進していくことを明確化した。これは同業界のトップ企業の再編が今後も進むことを意味する。

新型肺炎の来襲により消費者のネットショッピングの習慣が強化された。こうした変化を短期間で元に戻すことは難しい。コミュニティー向け共同購入は、実店舗を訪れる顧客の流出を防止し、既存顧客を囲い込みつつ新規ユーザーを獲得するために、多くの小売企業が目指す構造転換の方向性であり、こうした見方がコミュニティー向け共同購入を手掛ける企業にさらなる成長の余地を与えている。

陳郢氏は取材に対し「コミュニティー向け共同購入の登場はオフライン実店舗の焦燥感の緩和に寄与する。市場規模は今後数年で5000億元(約7兆6000億円)に達すると予想する」と述べている。

とはいえ、5000億元規模の市場の一角を手にするには、企業内部での努力が必要なことに変わりはない。十荟団が今回調達した資金は、全国における倉庫・配送システムの構築やサプライチェーンの最適化に用いられる予定であり、末端店舗での業務効率や体験をさらに引き上げていくという。

今回の資金調達のリードインベスターGGVキャピタルのマネジメントパートナー徐炳東氏は「私はコミュニティー向け共同購入のもたらす革新および効率の向上を有望視している。新体制の十荟団は陳郢氏のリードのもと、経済モデルの検証や事業拡大を実現してきた。同氏のコミュニティー向け小売事業に対する深い理解、蓄積されてきた生鮮食品サプライチェーン能力および業界トップの業務運営効率をベースに、同社がさらなる成功を収めてくれると確信している」との考えを示した。

十荟団は現時点で100都市以上でサービスを展開しており、4月のGMV(流通総額)は6億5000万元(約99億円)を突破し、1日あたりの注文数は最高160万件に達している。
(翻訳・神部明果)

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