行政機関などに「デジタル職員」提供、中国企業のAIによる省力化ソリューション

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AIを使ったRPA(Robotic Process Automation、ロボットによる業務自動化)システムを開発する中国の新興企業、「蜻蜓智能(Dragonfly Intelligence)」が着実に実績を積み上げている。検察、税務署、銀行、貸金業者、通信キャリア、放送事業者などにRPAソリューションと関連のコンサルティングサービスを提供。人間の職員並みの業務を執行できる「デジタル職員」ともいうべきこれらのソリューションで、短期間内に省力化によるコスト削減を実現できるため、行政機関を中心に導入事例が増えている。

2015年に北京で設立された蜻蜓智能の中心メンバーは米IBM、中国IT大手のバイドゥ(百度)など有名企業出身の技術者。同社は、現在RPAとAI分野で40以上のソフトウェア著作権と特許を取得している。

RPA業界では利用者にモジュールのみを提供し、実装は利用者自身が行うビジネスモデルもあるが、蜻蜓智能は「デジタル職員」として使用できる完全な効率化ソリューションの提供にこだわっている。同社は顧客とともに業務プロセスを洗い直したうえで、プライベートクラウドまたはパブリッククラウド上のSaaSの形でソリューションを提供する。顧客の従来のシステムとシームレスに連携できるよう、異なるシステム、ソフト間でデータをやり取りするためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を提供することも可能だ。「ロボット」はクラウド上のコントロールセンターで一括管理され、当該RPAのためのCoE(センターオブエクセレンス)を形成する。

同社CEOの李坤氏は、同社の「デジタル職員」をAI、RPAエンジンの上で開発されたピラミッドの頂点にある製品だと位置づけている。各顧客の特徴に即した開発をしているため、導入後すぐにコスト抑制と効率向上が実現できる。ROI(投資利益率)が300%を超えた導入事例もあるという。

検察院の「デジタル職員」が法律文書をチェックしている

蜻蜓智能はこれまで70以上のRPAロボットを開発しており、実用例としては、検察の情報公開、記録確認、文書自動作成、銀行の財務諸表作成、監督当局への届け出、法人向け口座開設、税務署の督促、徴収報告などの業務で活用されている。

完全なソリューションを提供することにこだわる以上、製品実装の速さとユーザビリティが重要になる。蜻蜓智能は顧客のニーズの確認から実装まで、1〜2週間しかかからないという。クラウド型のほか、クライアント型として利用することもできる。システムを更新している最中でも現場のロボットは作業できるため、業務の変化によってRPAロボットのシステムを随時更新することが可能だ。

蜻蜓智能の売り上げは、SaaSの年間使用料と実際の作業量によって支払われる料金からなる。上述の検察、銀行、税務署のほか、記帳やHR向けのソリューションも開発している。

AI技術の進歩により、RPAは紙文書、伝票、複雑な表を識別できるようになった。そのことによりRPA市場は急成長しており、市場調査会社「TransparencyMarket Research」の予測では、今後数年間の年平均成長率は61.3%に上り、なかでもアジア太平洋地域は2021年に181%も成長する可能性がある。2024年までに、全世界のRPAの市場規模は50億ドル(約5400億円)に達するという。

(翻訳:小六、編集・後藤)

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