新薬開発の「雲頂新耀」が過去最高の330億円超を調達、難治性がんの治療薬に期待集まる

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中国のバイオ医薬品の戦いが、世界を巻き込みながら激しさを増している。

医薬品開発の世界で勝敗を分けるのは「世界最先端の技術レベル、世界初の治療法」。業界用語では「ベスト・イン・クラス(改良され既存薬より明確な優位性を持つ医薬品)」、「ファースト・イン・クラス(新規性・有用性が高い画期的な医薬品)」と呼ばれる。このような強みがあれば投資家の注意を引いて資金を集めることができる。

先ごろ、巨額の資金調達に成功した製薬会社「雲頂新耀(Everest Medicines)」もその強みを存分に発揮した企業だ。同社の主力医薬品8種類のうち、ファースト・イン・クラスが1種類、ファースト・イン・クラスとなり得る薬が2種類、ベスト・イン・クラスとなり得る薬が4種類ある。

この優れた開発パイプラインは同社のビジネス戦略のたまものだ。医学博士でもあるKerry Blanchard CEOによれば、ゼロから新薬開発に当たるのではなく、世界の画期的な治療法の開発権を購入して自社に導入(ライセンスイン)し、大中華圏とアジア地区で研究開発を進めているという。

雲頂新耀はシリーズCで3億1000万ドル(約332億円)の調達に成功した。これは中国バイオテック企業が発行市場で調達した金額としては過去最高だ。

今回の資金調達はシリーズC2で2億6000万ドル(約280億円)、C1で5000万ドル(約53億円)と、2回の優先株発行により行われた。シリーズC2のリード・インベスターは「建峖実業投資(Janchor Partners)」「RA Capital Management」「高瓴資本(ヒルハウス・キャピタル)」だった。

出資には「徳誠資本(Decheng Capital)」「国新国同(GT Fund)」「ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズ」「Rock Springs Capital」「Octagon Investments」、某大手長期投資機関のほか、既存投資家の「康橋資本(CBridge Capital)」「Cormorant」「蘭亭投資(Pavilion Capital)」「HBM Healthcare Investments」も加わった。

シリーズC1は、雲頂新耀が今年3月に発表した嘉善国家級経済技術開発区および「嘉善国投(Jiashan state-owned Assets Investment)」との戦略提携の一環として、嘉善国投が出資した。「易凱資本(CEC Capital)」が単独で財務アドバイザーを務めた。

雲頂新耀は画期的な医薬品の開発に長けており、現在は腫瘍、免疫疾患、内科、感染症の4分野で8種類の医薬品が臨床試験の段階に入っている。これらの分野はどれも市場拡大の可能性を持っているが、中でも腫瘍分野は市場規模が全世界で2000億ドル(約21兆円)を超えると言われるほど急速に成長している。

雲頂新耀では国際的な背景を持つメンバーを中心にチームを構成しているため、世界の舞台でも有利に戦うことができる。中心メンバーは「ロシュ」「アストラゼネカ」「サノフィ」などの世界的な製薬会社で長年幹部を務めた経歴を持ち、多くの医薬品の承認や臨床試験後のライセンスアウトを指揮してきた。また「メルク」「ブリストル・マイヤーズ スクイブ」「バイエル」で臨床研究の責任者を務めていた人材のほか、薬事行政、CMC(化学・製造および品質管理)、事業運営の分野で経験豊富なメンバーがそろっている。

現時点で同社が研究開発する医薬品のうち、臨床試験フェーズ3まで進んでいるものが6種類、フェーズ2とフェーズ1がそれぞれ1種類あり、フェーズ3の医薬品のうち2種類は米国ですでに販売されているか、米国食品医薬品局に承認申請を提出しているところだ。

中でも主力製品である乳がん治療の新薬「サシツズマブ ゴビテカン」は、米国でトリプルネガティブ乳がんへの適応が承認されており、ホルモン受容体陽性転移性乳がんや尿路上皮がんなどの難治性がんへの適応拡大も期待されている。中国国内でも臨床試験が進み、発売が見込まれている。

雲頂新耀は大中華圏とアジアの一部で、サシツズマブ ゴビテカンのほか、潰瘍性大腸炎の新薬「エトラシモド」、IgA腎症治療経口剤「Nefecon」など8種類の医薬品の権益を獲得している。
(翻訳・畠中裕子)

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