テスラに挑む中国EVメーカー「小鵬汽車」が米IPO申請 約550億円の資金調達を計画

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中国の新興電気自動車(EV)メーカー「小鵬汽車(Xpeng motors)」がこのほど、米国でIPOをひそかに申請、5億ドル(約550億円)の資金調達を計画していることが分かった。上場時期は2020年7月から9月が予定されており、米投資機関JPモルガン、米金融大手ゴールドマンサックスなどが投資機関となっており、うちJPモルガンが主要引受業者となる。

国家企業信用情報開示システムによると、小鵬汽車の運営主体である「広州橙行智動汽車科技公司」は株主が変更され、アリババや小鵬汽車の創業者兼CEOの何小鵬氏など27人が撤退している。この件について小鵬汽車は、この動きは「グループの海外再編によるものである」との見解を示している。小鵬汽車に近い情報筋によると、小鵬汽車が海外で上場するのに必要なレッドチップスキームはすでに整っているが、「現時点での上場時期は単に予定に過ぎず、最終決定ではない」という。

中国の新興コーヒーチェーン「瑞幸咖啡(luckin coffee)」の財務データねつ造事件と米中間の貿易情勢の影響もあり、今年の中国概念株に対する米株式市場の態度には不透明感がただよっている。もともと米株式市場でIPO申請を予定していた企業の多くが様子見の状態である。とはいえ一部の投資家は、テスラの株価が堅調であるのは中国の自動車メーカーにとって好材料であり、「トップEVメーカー『理想汽車(LEADING IDEAL)』、小鵬、『威馬汽車(WM Motor)』などにしてみれば、現在上場できるのであれば上場を選ぶだろう」との考えを示した。

小鵬汽車の直近の資金調達は2019年11月に行われた。シリーズCで4億ドル(約440億円)を調達した。インベスターには中国スマホ&IoT家電大手のシャオミ(小米集団)、「晨興資本(Morningside Ventures Capital)」、「経緯創投(Matrix Partners China)」などの株主が顔をそろえた。ブルームバーグは前回のこのラウンドで小鵬汽車の評価額が40億ドル(約4400億円)に達する見通しであると報じている。

小鵬汽車は、今回の資金調達を完全にIPO頼みとしているわけではない。情報筋によると、アメリカでのIPOの準備を着々と進めているほか、「何小鵬氏もプライマリーマーケットで資金を調達しているところで、多くの大手上場企業とも接触している」という。しかし、ここ最近は新興自動車メーカーの資金調達は急速に減りつつある。何小鵬氏に近い関係筋は、シリーズCでの4億ドル(約440億円)の資金調達のうち「半分は何小鵬個人の出資だ」と明かした。

2014年に沸き起こった新興自動車メーカーブームでは、中国新興EVメーカー「蔚来汽車(NIO)」がユーザーコミュニティーとサービスでハイエンドなポジションを獲得し、理想汽車はPHEV(プラグインハイブリッド)技術路線を選択した。一方、何小鵬氏率いる小鵬汽車はテスラに学び、スマート化路線を選択している。

スマート化路線を歩むため、小鵬汽車は米シリコンバレーと北京にセンサーアルゴリズム、サンティアゴに高精度測位システムとマルチセンサーの統融合、広州に走行計画および制御、上海に高精度地図といった自動運転開発チームを自社で立ち上げた。

4月30日、テスラは第1四半期に6800万ドル(約75億円)の純利益を上げ、3四半期連続で黒字を達成したと発表。自動車事業での粗利率は25.5%に達している。テスラは多額の研究開発費によりスマート化を推し進め、スマート化により多額の粗利を生み出している。大量の出荷台数で研究開発費をまかなうことで、企業の収益化モデルを実現した。

とはいえ、スタートアップ企業の小鵬汽車にしてみれば課題は山積みだ。自動車業界には資金投入周期や資金集中などの特徴があり、新興自動車メーカーが直面する課題は後をたたない。今年に入って、小鵬汽車はすでに多方面で経費削減を行っている。同社従業員によると、年初に2019年の年末報奨金をストックオプションに変更も可能だと提示されたという。また、小鵬汽車も内部で組織の最適化を推し進めており、北京のAI(人工知能)開発チームでは大幅な人員削減を行った結果「年初いた90人から約50人になった」と話した。

5月31日、テスラ傘下の「SpaceX(スペースX)」は民間企業で人類史上初となる有人宇宙飛行に成功した。何小鵬氏はチャットアプリ「WeChat(微信)」のモーメンツで「本当にゼロから事を成す人はほとんどいない。今後、私たちはより多く、より純真なシリアルアントレプレナー(連続起業家)を持つことを願っている」と感慨深げに書いている。
(翻訳:lumu)

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