物流拠点の無人化・自動化を実現 スマート搬送ロボット「未来機器人」が15億円調達で海外展開進む

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ロボットビジョンによる無人産業車両の研究開発を行う「未来機器人(深圳)有限公司(VisonNav Robotics)」がシリーズB1で1億元(約15億円)を調達した。リード・インベスターは「聯想創投(Lenovo Capital)」、コ・インベスターは「飛図創投(Flyfot Ventures)」と既存株主の「鐘鼎資本(Eastern Bell Capital)」。調達した資金は無人搬送車の視覚制御、センシング技術の持続的な研究開発、確定需要がある分野へのソリューション提供、業務規模の拡大に充てられる。

2016年に設立された未来機器人は、「香港中文大学(CUHK)」とハイテクパーク「香港科学園(HKSP)」が共同でインキュベートした企業だ。同社は、視覚情報処理、センシング技術、5G技術などを産業車両に搭載し、倉庫・物流業における荷役、ピッキング、仕分け、分配などの各作業に対して、フレキシブルでコストパフォーマンスが高いスマート無人搬送ソリューションを提供する。

デジタル経済時代の到来により、情報の流れや取引形態が大きく変化したことで物流分野も急速に発展し、中国国内の物流コストは年々上昇している。「中国物流購買連合会(CFLP)」が発表したデータによると2016年から2019年にかけて中国における物流コストは229兆元(約3460兆円)から298兆元(約4500兆円)に上昇した。物流コストがGDPに占める割合は14.9%から14.7%に下がったが、物流効率の改善は進んでおらず、欧米諸国とはまだ10%の開きがある。

一方で「世界産業車両統計(World Industrial Truck Statistics、WITS)」によると、2019年中国の産業車両は64万7300台増加、保有台数は320万台に達し、これは全世界の4分の1を占める。しかし、「AGV産業連盟(China Mobile Robot And AGV Industry Alliance)」のデータによると、中国で運用されている無人産業車両は6700台に満たず、市場普及率は1%未満で、無人産業車両には大きな成長の余地がある。

マクロレベルで見ると物流システムは巨大なネットワーク構造で、その中で荷物の保管や積み替えを行う物流拠点をノードと呼び、輸送経路をリンクと呼ぶ。未来機器人の李陸洋CEOは「製造業を代表とする小ロット多品種のマーケット需要が拡大するにつれ、倉庫の自動化やスマート化はコスト削減のためのオプションの1つという位置づけから、必要不可欠なものになりつつあり、『ノード』はすでに無人化設備の主戦場となっている」と語る。

未来機器人はノードにおける無人搬送車の導入に焦点を当て、その応用シーンには物流パーク、物流倉庫、メーカー倉庫、生産現場、工場および空港、港湾などが含まれる。

一般的に倉庫の自動化、スマート化には2つの方法がある。

1つめは「空間を時間に変換する」方法で、アマゾンの倉庫に導入されているKivaのような「棚ごと商品を運ぶ」搬送ロボットによって、大規模な自動倉庫(Automated storage and retrieval system 、AS/RS)を構築することだ。このような倉庫は初期投資が巨大で、システムの柔軟性は高くなく、製造業の倉庫に適用する意義は少ない。

2つめは「設備のスマート化レベルを向上させる」方法で、これはロボットビジョンを利用したスマートアームや無人搬送車の独壇場だ。このようなソリューションは柔軟性が高く、既存の倉庫を大きく作り変えることなく導入が可能だ。

未来機器人のスマート倉庫の構造

物流のノードにおいて無人化が進まないのは、無人搬送車のコントロールやセンシング技術において、まだ技術的なボトルネックがあり、人間によるオペレーションと比べて業務効率の面で大きな差があるためだと李CEOは考えている。顧客企業にとって複雑な業務の処理、作業効率の向上、投資回収期間などが無人倉庫を導入する際の重要な指標となる。同社の無人搬送車は視覚制御によって柔軟性・利便性・汎用性が高い無人搬送モジュールを構築し、無人倉庫の導入期間を短縮し、初期開発および運営コストを低減できている。

現在すでに未来機器人の無人倉庫ソリューションは成熟した段階にあり、無人搬送車の販売とカスタマイズサービスを提供し、顧客企業は2年以内に投資回収が可能だ。同社の無人搬送車は主に自動車、デジタル機器(パソコン、通信機器、家電製品)、医薬品などの製造物流およびEC、小売り、3PL(サードパーティーロジスティクス)、航空などの倉庫物流に導入されている。すでに10社以上の世界500強企業と提携しており、50件以上の物流拠点の無人化プロジェクトを完成させている。2020年は成約額1億元(約15億円)、純利益500-1000万元(7600万-1億5000万円)を達成する見込み。

今後の同社の発展について李CEOは、技術と資本を基にロボットビジョン技術による製品性能の向上を図り、産業車両が必要とされる場面において無人搬送車の普及率を高めていきたいと述べている。同社は中国国内での実用化事例を拡大するとともに海外市場への進出も積極的に行い、2020年は香港を中心に東南アジア、東アジア、中東などへ展開し、その後は欧米市場への進出も目指している。(翻訳・普洱)

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