【VC週刊レポート】7月初めの中国ベンチャー投資は件数、金額ともに急増 教育や医療分野が巨額を調達

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7月に入って中国ベンチャー投資市場は大きく活気を取り戻し、投資案件は目に見えて増加している。特にオンライン教育の大手企業は、コロナ対策の一環として業務量が激増した上に、幾度も資金調達に成功した。また医療・ヘルスケア分野も引き続き活況で、新興医療分野に懐疑的な意見も順調な資金調達により打ち消されつつある。 

ベンチャー投資ハイライト

6月27日から7月5日までの1週間、投資案件は全部で101件あり、前週の48件から110%増加した。

業界別に見ると、出資が集中した上位3分野は、企業向けサービス(26件、全体の25.74%)、医療・ヘルスケア(20件、全体の19.80%)、消費生活(16件、全体の15.84%)だった。前週の投資件数と比較すると、今週はこれら3分野で件数が2倍ほどに増加した一方で、エンターテインメント系は前週の8件からわずか2件に落ち込んだ。

投資ラウンドでは、プロジェクトの多くがアーリーステージに集中している。シリーズAが全体の30.69%を占める30件で、前週に比べて4倍になったほか、シードラウンドは前週の1件から大きく増加して10件だった。

36Krが公式データを元にまとめた業界および投資ラウンドごとの出資状況は以下の通り。

業界別、1週間の出資状況(36Krまとめ)
投資ラウンド別、1週間の出資状況(36Krまとめ) 

注目投資案件

この1週間の1億元(約15億円)を超える高額投資案件は33件で、前週の13件から20件も増加した。集中した上位3分野は医療・ヘルスケア(8件)、企業向けサービス(4件)、自動車交通(3件)だ。医療・ヘルスケアと企業向けサービスは投資件数でも上位2位にランクインしている。一方、投資件数で3位の消費生活分野には高額投資プロジェクトは少なく、全16件の投資のうち億超えはわずか2件にとどまった。

今週、最高額を調達したのはオンライン教育の「作業幇Zuoyebang)」だ。「方源資本 (FountainVest Partners)」と「タイガー・グローバル」が主導するシリーズE75000ドル(約806億円)を調達している。現時点で作業幇のデイリーアクティブユーザー(DAU)は5000万人を超え、ライブ授業の正規生徒数は春期だけで130万人に上ったほか、200カテゴリ以上の良質なカリキュラムを作成している。 

調達額で第2位につけたのは、レンタカー大手の「神州租車(China Auto Renting)」だ。国有自動車の「上海汽車集団(SAIC)」は、神州租車の親会社「神州優車(UCAR)」と大株主の「アンバー・ジェム・ホールディングス」が所有する株式のうち最高61300万株を買い取ることを発表した。神州租車株は1株あたり3.1香港ドル(約43円)で売却され、同社は最高19200万香港ドル(約260億円)を調達するとみられる。株式取得に関する計画によれば、上海汽車の全額出資子会社「上海汽車香港投資(SAIC Motor HK Investment)」が神州租車の発行済み株式の約29%を取得し、最大株主となる見込み。この買収は、上海汽車が従来型の製造業からモビリティサービスやモビリティ製品を提供する総合サプライヤーへの転身を図るための足がかりだとみられている。

億クラスの投資件数が最も多かった医療・ヘルスケア分野には、合計29億元(約440億円)の資金が流れ込んだ。遺伝子検査キットやバイオチップを手がける「博奥晶典(CapitalBio Technology)」はプレIPO8億元(約120億円)以上を調達したほか、精密医療の「索元生物(Denovo Biopharma)」も「中金資本(CICC Capital)」傘下のファンドが主導するシリーズC59000万元(約90億円)を調達した。

注目投資案件

(翻訳・畠中裕子)

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