【図解】ライドシェアの雄・滴滴出行(DiDi)を大解剖 月間ユーザー8億人を狙う野望

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2012年のある暑い夏の日、中国IT巨頭アリババのマネージャーに務めていた29歳の程維(Will Cheng)氏はまたもやフライトを逃してしまった。交通渋滞で車がひしめき合う北京の中心業務地区(CBD)から空港に向かうためのタクシーを拾うのに時間が掛かってしまったからだ。

他の多くのスタートアップに関する有り触れたストーリーと同じように、程維氏もこの個人的な経験をきっかけに、運転手と乗客をよりうまくマッチングさせるためのスタートアップ設立を志し、アリババでの有望なキャリアを捨てた。同年、彼は「小桔科技(オレンジ・テクノロジー)」を創設し、その後「滴滴出行(Didi Chuxing)」の雛形となる配車サービスアプリを開始した。わずか2年後、滴滴出行はタクシー予約から配車までサービスを拡大した。

当時の市場には滴滴出行だけではなく、地元のスタートアップ「快的打車(KuaiDi)」や世界的大手のUberといった手強い競合他社が存在した。滴滴出行は健闘し、2016年にライバルの快的打車及びUberの中国事業を吸収し、中国最大の配車サービスとしての地位を確立するという形でその戦いを終えた。

会社の成功への道のりを阻むのは競争だけではない。 2018年、滴滴出行の相乗り配車サービス(「順風車(Hitch)」)のドライバーにより女性客が殺害される事件が2件も発生し、同社の評価とビジネスは危機的状態に陥った。滴滴出行は収益性が高かった相乗りサービスを一時中止し、同サービスの安全基準を改善するために多額の投資を行うと誓約せねばならなかった。

目下、評価額が約700億ドル(約7兆5000億円)に達している中国第3のユニコーン企業である滴滴出行は、多くの不確定要素が待ち受ける重要な岐路に追い込まれている。市場に関しては、2019年、米国の同業者であるUberとLyftはいずれも上場直後に株価が急落しており、投資家達は滴滴出行の見通しについて懸念を抱くに至った。ビジネスに関しては、中国国内市場は飽和状態にあり、北京を拠点とするスタートアップは海外で他の可能性を模索している。

新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行が世界を襲い、世界中の都市のロックダウンによる需要低迷で配車ビジネスが打撃を受ける直前、滴滴出行は実際の数値を伏せたまま収益性を主張した。現在、中国は経済を徐々に開放し、移動需要も回復しつつあるが、リバウンドの速度はパンデミックが無い状態での成長速度には追いつけないだろう。

4月、滴滴出行は「0188」というコードネームの3ヶ年計画を始動させた。同計画では、セーフティインシデント0件、1日当たり1億件のサービス提供、モビリティ事業で8%の収益、グローバルMAU(1ヶ月当たりのアクティブユーザー数)8億人という目標が設定されている。

(翻訳・浅田雅美)

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