中国、ガソリンスタンドも自動運営へ 電子決済や販売データ一体管理で効率改善

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ガソリンスタンドの運営システム自動化や運営支援を手がけるスタートアップ企業「智慧油客網絡科技(SMARTYOKE)」が攻勢を強めている。2016年に設立された民営の同社は、販売油量の計測など販売管理からスマート決済・プリペイドカード、会員管理・併設売店運営管理までを一体化して行うスマートシステムを提供、すでに5000ヵ所以上のガソリンスタンドと提携しているが、今年はシリーズBで資金調達したのを機に、さらに多くの顧客を開拓、4年以内に2万カ所のガソリンスタンドと提携する計画で、市場シェア20%達成を見据える。

中国では自動車の普及とともにガソリンスタンドの数も増え続けている。政府系シンクタンク中国信息通信研究院(CAICT)と調査会社の中商産業研究院(ASKCI)によるデータでは、中国では2018年時点で10万カ所近くのガソリンスタンドが存在する。そのうち国有系の中国石油化工(シノペック)および中国石油天然気(ペトロチャイナ)の運営するスタンドが半数以上を占める。

ガソリンスタンドは大きな設備を必要とし、参入障壁も高い業界だ。日常業務に多くのエネルギーを割かれ、運営の精緻化にほとんど手を着けることができず、過去数十年ずっと、事業の各プロセスが統合されていないままだった。

大部分のガソリンスタンドでは販売データは給油計量機のみに保存されている。従業員はガソリンの残量を液面計で把握する。一方、顧客が決済時に使用するガソリンカードは外部のソフトウェア企業が作成したものだ。こうして生じるバラバラなデータ計測が経営効率を下げ、顧客に対するマーケティングを展開するにも拠り所をなくし、それが内部管理効率の低下や時代遅れのマーケティング手法といった問題も引き起こしている。

智慧油客のガソリンスタンド自動運営システムは、計量機や液面計などの設備のシステムを一本化させてSaaS形式で運営をスマート化する。スマート決済や会員管理、販売管理などのスタンド運営業務の通年支援を行うことで最適なマーケティングプランを提案し、ガソリンスタンドの事業拡張を目指す。

同システムは、例えば異なるメーカーの計量機や液面計を相互に連携させるなどして、さらに可視化システムを導入することで管理を簡便にし、コストを削減するとともに(取引データ、顧客データなど)データの持つ価値をより発揮させる。

従来型のガソリンスタンドは情報化が不得手で、データの価値を取りこぼしてきた。マーケティングを通じた顧客獲得や顧客のロイヤルティ強化も難しい。智慧油客はすべてのガソリンスタンド利用客に対し適切なマーケティングを行うことを目指している。同社創業者の王一氏によると、同社のシステムは各利用客の利用頻度、利用価格など具体的なデータを基にペルソナを描き、それぞれに応じた割引やプロモーションを行っている。同氏は「すべての利用客が毎月どのタイミングで給油に来るのか、給油するガソリンの種別は何か、給油のついでにどんなドリンクを何本購入したかなどのデータを根拠に相応の判断を行う。智慧油客にはガソリンスタンドのマーケティングを専門とするチームがあり、年間を通じて製品の更新やアップグレードを担当してもらっている」と説明する。

智慧油客は中央・地方政府管轄下の国有企業が運営するガソリンスタンドだけでなく物流企業との協業も想定しており、中国全土の物流車両市場にスマートシステムを導入させ、物流とガソリンスタンドを繋ぐB2Bサービスを開拓していく。

同社のGMV(流通取引総額)はすでに100億元(約1500億円)規模に達しており、今年の売上高は8000万元(約12億円)、純利益は約13%に達する見込みだ。智慧油客は単純な市場拡大だけでなく、既存の顧客からより多くの収益を得られるようガソリンスタンドを支援することにも重きを置いている。現在はガソリンスタンドの事業を多角化させ、油外事業の比重を増やしていくことも模索中だ。

(翻訳・愛玉、編集・後藤)

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