日本進出も計画中 ユニークな受注・配達システムで格安利用を実現した米フードデリバリー「HungryUS」

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日本進出も計画中 ユニークな受注・配達システムで格安利用を実現した米フードデリバリー「HungryUS」

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新型コロナウイルスの流行によって、デリバリープラットフォームによる「非接触」配送が急速に伸びている。独市場調査企業Statistaによると今年、米国のオンラインフードデリバリーサービスの売上高は265億2700万ドル(約2兆8400億円)と予測されており、2024年までに市場規模は323億2500万ドル(約3兆4700億円)に達する見込みだ。

市場の成長はめざましいが、競争も加熱してきた。米国では現在、DoorDash、Grubhub、ウーバーイーツ(Uber Eats)などのデリバリープラットフォームが人気だ。華人向けのニッチ市場だけを見ても、Fantuan Deliverly(飯団)、パンダエクスプレス(Panda Express)、Gessoなどが次々とデリバリープラットフォームに参入している。

米国は人件費が高い上に土地が広く人口密度が低い。さらに商業地区と住宅区の距離が遠いなどの要因から、デリバリー業界の配送費用は1件当たり平均5ドル(約540円)と高く、配送時間も1件当たり平均1時間かかっている。また選択できる料理の種類も限られているなど多くの課題がある。デリバリー業界のビジネスモデルとサービスはどれも大きな違いはなく、本当の意味で差異化による優位を確立しているサービスはまだ存在しない。

「Maxus Technologies」は中国人が米カリフォルニア州で創業した企業で、現在は主に送料無料の予約制フードデリバリープラットフォーム「HungryUS(吃惑)」を運営している。

HungryUSは独自の蜂の巣型配送ネットワークを構築し、それによって「送料無料」「指定時間に配達」「一度に複数レストランへの注文が可能」などの特色を打ち出し、米国のデリバリー市場へ切り込もうとしている。HungryUSのZack CEOは米国でコンピューターサイエンスの博士号を取得し、某ハイテク企業で主任エンジニアを務め、複数回の起業経験を経て、現在同社のCEOとCTOを務めている。

HungryUSのデリバリープラットフォームは2017年3月に正式オープンし、現在はカリフォルニア州サンディエゴ、ロサンゼルス、アーバインなどでサービスを提供している。同社のサービスには、予約された食事を既定地点まで配送するMealBus、予約された食事を家まで配送するToDoor、食品の共同購入サービスGroupOnの3種類がある。

MealBusは前日の午後2時から当日の午前10時45分までに食事を注文しておくと、お昼12時から13時15分までの間に、既定の場所で受け取ることができるサービスだ。配送地点はオフィスビルの1階の受付や、学校の図書館、集合住宅の管理事務所などに設定されている。

例えばプラットフォーム上で1日に50軒のレストランに対する注文を受けたら、5~10人のドライバーをそれぞれ5~10軒のレストランへ行かせ、注文された食事をピックアップさせる。ドライバーは受け取った食事を持ち寄って集合し、それをエリアごとに分別し、それぞれの配送地点へ食事をデリバリーする。

Zack氏によると同社はサンディエゴに80カ所以上の配送地点を敷いている。これらの配送地点を10以上の異なるルートに割り振り、1ルートにつき1人の担当ドライバーを置き、配送地点1カ所ごとに5~10件の注文を配送してもらう。この方法だと1人のドライバーが1時間半のうちに30~40件の注文を配送できる。

この方式によって配送効率が向上し、ドライバーの人件費を削減できるため、HungryUSは「送料無料」を実現し、ユーザーからは5%のサービス料のみを徴収している。Zack氏によると新規ユーザーの登録後の初月継続率は75%に達している。ドライバーの人件費は、レストランからの手数料、ユーザーからのサービス料とチップでほぼカバーできる。固定ルートでの配送はドライバーにとっても効率的で、短い時間で多くの稼ぎを得られる。

MealBusのシステムはレストランにとっても利点が大きい。レストランは毎朝10時45分にその日の全ての注文を確認し、まとめて調理できるため、時間とコストを節約できる。来店客がピークになる時間帯も避けられる。またHungryUSへ支払うレストラン側のプラットフォーム利用料は20%を超えず、この比率はUber Eatsなどのプラットフォームより低い。

現在、HungryUSのユーザーは70~80%が中国系だ。しかし同社はニッチな海外華人市場だけでなく、人件費の高いあらゆる国と地域への進出を狙っている。

MealBusの利点ははっきりしているが、大きな収益を上げるには注文数を増やさなければならない。MealBusはユーザーを増やすために効果的だが、さらなる収益源を確保するため、同社は今年2月に予約制で家まで食事を配送するToDoorサービスをリリースした。この方式は各ドライバーが1度に5~10件の配送を行い、配送費用を別途徴収するものの相場の半分程度で済む。

新型コロナウイルスの流行期間中、ToDoorサービスは同社の命綱となった。学校やオフィスが閉鎖されたためMealBusの売上高が落ち、逆に宅配需要が大幅に上昇した。ToDoorの注文数は毎月平均30%伸び、利益も増加した。

MealBusとToDoorのほかにHungryUSには企業向けのケータリングサービスと、先ごろリリースした有機食品・生鮮食品の共同購入サービスGroupOnがある。

現在HungryUSの収益源は、サービス料、チップ、ToDoorの配送料、広告料、会員費、レストランのプラットフォーム利用料などだ。会員特典には限定メニュー、割引メニュー、店舗利用割引などが含まれる。

Zack氏によると同社はロサンゼルスで新たなデリバリー企業の買収を完了し、日本での業務展開に向けた準備も行っている。今年8月には初の海外市場進出として、日本での業務を開始する予定とのことだ。

HungryUSは2018年にシードラウンドで110万ドル(約1億1800万円)を調達しており、現在350~550万ドル(約3億7500万~5億9000万円)のエンジェルラウンドの投資を募集している。調達した資金は、人員の拡充、技術開発、市場開拓に充てられ、今後1年間に北米の6~10都市で新たに業務を展開する計画だ。
(翻訳・普洱)

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