時価総額でトヨタを超えたテスラ 急成長はバブルか

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テスラの株価は7月3日、米国市場の終値で1544.65ドル(約16万5700円)をつけ、時価総額は2863億3300万ドル(約30兆7100億円)に達し、世界の自動車企業でトップの座にあるトヨタの時価総額1728億ドル(約18兆5300億円)を大きく引き離した。

世界の富豪ランキング「ブルームバーグ・ビリオネア指数(Bloomberg Billionaires Index)」によると、テスラのイーロン・マスクCEOの個人資産も大幅に増加し、705億ドル(約7兆5600億円)となり、著名投資家ウォーレン・バフェット氏を抜いて世界第7位の富豪となった。マスク氏の個人資産は7月10日だけで61億ドル(約6500億円)も急騰した。

データ:ブルームバーグ・ビリオネア指数

好材料がけん引、株価は1年で30倍に

2010年6月、テスラが上場した際の公開価格は17ドル(約1800円)だった。10年間で株価は70倍以上になり、2019年から現在までに30倍以上になった。

技術を攻略することは市場を刺激する好材料の1つだ。先ごろ開催された上海市政府主催の世界人工知能大会(WAIC)の基調講演でマスク氏は、テスラはレベル5の自動運転(人が運転操作に関与しない完全自動運転)の実現に近づきつつあり、年内に基本機能の開発を完了できると確信がある、と述べた。

画像:マスク氏による世界人工知能大会のオンライン基調講演

より説得力のある材料は、安定性が増してきたテスラの生産販売データだ。第2四半期、テスラは8万2000台を超える電気自動車を生産し、9万650台あまりを納車した。4月にはModel Yが黒字化を達成したしたと発表している。Model Yは2020年3月に出荷が開始されており、同社は設立以降初めて、納車開始の最初の四半期で黒字を達成した。

テスラは中国市場でも常に強い存在感を示している。自動車業界団体・乗聯会(全国乗用車市場信息聯席会)のデータによると6月、純電気自動車市場でのテスラの販売シェアは23%に達した。また下半期の電気自動車市場は昨年下半期より明らかに高い水準で推移している。テスラは最近、中国市場で電動ピックアップトラックCybertruckの予約を開始した。

テスラはグローバル市場でも勢力図を拡大しており、野心的な販売拡大を続けている。テスラが米証券取引委員会(SEC)提出した文書によると、カリフォルニア州フリーモント工場での生産が休止前の水準に戻ったことを明らかにしており、今年の第3四半期には電気自動車の生産台数が15万台を超える見込みだ。鳴り物入りで第二期工事を進めている上海工場のほか、独ベルリンのギガファクトリーもようやく政府の承認が得られ、建設が完了すれば、テスラの生産能力は合計で100万台を突破する見込みだ。

また、米テキサス州オースティンが新工場建設候補地として挙がっており、州議会はテスラに対して税金の優遇パッケージを提示している。この優遇策により今後10年間でテスラは5000万ドル(約53億6300万円)以上の支出を節約できる見込み。建設が決定すれば米国で2カ所目となる電気自動車生産拠点および米国初のCybertruckの生産拠点となる。

画像:IT技術情報サイト「cnBeta」

テスラの四半期あたりのの生産台数はトヨタの30分の1に過ぎないが、テスラがトヨタの時価総額を追い抜いたことは、自動車製造分野の大きな変化を象徴すると一般的には解釈されている。自動車業界のモデルチェンジの波の中で、電気自動車の先駆者としてのテスラの存在は、業界の先行きを占う実験的な指標となっている。

急成長は神話か、バブルか?

テスラの株価の急騰に対して、市場の評価は2つに分かれている。

テスラの時価総額が2000億ドル(約21億4500万円)を超えたばかりの頃、バロンキャピタルの創業者ロン・バロン氏は、テスラの将来性について、「株価はまだ10倍になる可能性があり、10年以内に売上高が1兆ドル(約107兆2500億円)を超える可能性がある」と感慨深げに語った。

しかしこれに対して多くの人は懐疑的だ。バフェット氏はテスラには投資しないと表明している。投資情報機関ミラー・タバックの首席マーケットストラテジストマシュー・マリー氏は「ある銘柄が大幅に上昇した時、例えば5~6日間で43%も上昇したとしたら、それは暴落の前触れでしかない。もしある企業が新型コロナウイルスのワクチンを開発したなら、43%という大幅な上昇もあり得るが、テスラの値上がりはバブルとしか言いようがない」と述べている。

ブルームバーグの市場担当シニアエディターのジョン・オーサーズ氏は「現在市場のテスラに対する期待値は、同社が新エネルギー車市場を独占できるという仮定に基づいている。電気自動車業界が順調に発展すれば、テスラによる市場独占は現実的ではなく、テスラのテックバブルはいつか崩壊する」と述べている。
(翻訳・普洱)

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