大手製薬会社のデジタル化を支援、新興企業「明度智慧」がシリーズA+で12億円調達

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大手製薬会社のデジタル化を支援、新興企業「明度智慧」がシリーズA+で12億円調達

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医薬企業のデジタル化支援サービス「明度智慧(MingDu Intelligent)」がシリーズA+で8000万元(約12億円)を調達した。リード・インベスターは「浙商創投(Zheshang Venture Capital)」、コ・インベスターは「招商局創投(China Merchants Venture)」と「拓金資本(Topping Capital)」。調達した資金は主に市場開拓、製品開発、イテレーションなどに充てる予定。

明度智慧は大手製薬会社に開発から生産、保管、物流のデジタル化サービスを提供する。具体的な業務内容は以下の通り。

・開発サイドでは、ビッグデータ、AI技術に基づくSmartLab情報化管理システムを提供し、医薬品申請の効率化、医薬品の発売までの期間の短縮を図っている。

・生産サイドでは、工業用IoT技術をベースにしたスマートマニュファクチャリングのためのソリューションを提供。コンプライアンスや生産技術の蓄積、品質向上など各方面におけるマネジメントの改善、ビッグデータの蓄積が実現できるよう医薬品企業をサポートし、技術、管理、品質改善における意思決定のためのエビデンスを提供。

・流通サイドでは、製薬会社および商社のスマート保管業務をサポート。保管と生産をめぐるスマート物流を一本化し、倉庫の無人化及びスマートマネジメントを進めるほか、ブロックチェーン技術と結びつけて薬品のシリアル化と1薬品1コードを実現。

現在、明度智慧のデジタル化ソリューションはすでに「華潤三九(China Resources Sanjiu)」など累計100以上の医薬品会社で採用され、バイオ医薬品、漢方薬品、化学薬品、ワクチンなどさまざまな薬品を扱っている。

明度智慧の魏巍CTOによると、中国の医薬品業界は米国、EU、日本などに比べ情報化、インテリジェント化が遅く、医薬品企業のAI化によるアップグレード、コンプライアンス管理において改良の余地は非常に大きい。特に、一連の関連政策の発表で大手製薬会社では開発および生産段階でのデジタル化、インテリジェント化が進むとみられる。

明度智慧が提供する開発から生産、物流までのデジタル化ソリューションで特筆すべきなのは、開発段階における非臨床試験と薬品開発の終点となる登録申請、二つの段階に対する支援だ。明度智慧はこの二つの段階のデータを結び、AIなどの技術を駆使して重要な実験データを自動で抜き取り、分析モデルに提供している。

魏巍氏は、異なる開発段階のデータをつなぐのは、製薬会社が今後価値を発掘していくのにとりわけ重要だと指摘する。研究開発部門と生産部門のデータをつなげれば人に頼らず直接技術移転ができ、それがエンドツーエンドソリューションの強みだという。

国家薬監局は7月1日に「薬品の記録とデータ管理に関する要求(試行)」を発表し、12月1日から正式に実施する。この政策の発表で電子記録の法的地位が認められ、企業にも電子記録が奨励され、業界全体は新しい局面を迎える。

現在電子記録は世界的に広く利用され、中国国内でも普及していくことが予想される。しかし、細分化されたこの業界は元々ハードルが高く、あらゆるポイントで多岐にわたる政策、法規に対応しなければならないため、実際には時間がかかるだろう。

魏巍氏は、製薬業界の競争激化と政策、法規の制定により、医薬業界のデジタル化は一層進み、AI、5G、クラウドコンピューティングなどの技術も活用されていくとみている。
(翻訳・二胡)

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