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テンセント、ゲーム実況2強「虎牙」と「闘魚」の合併を推進 ライバルとの競争に備える

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北京時間8月10日夜、ゲームライブ配信大手の「闘魚(DOUYU)」は、テンセントから同じくゲームライブ配信大手の「虎牙(Huya)」との合併に関する拘束力のない提案を受け取ったと発表した。また、SNSプラットフォームの「歓聚時代(Joyy)」も同日、自社が保有する3000万株の虎牙のB類普通株を8.10億ドル(約860億円)でテンセントに譲渡することを発表した。

虎牙と闘魚の合併により、時価総額100億ドル(約1兆円)のコンテンツ会社が新たに誕生することになる。両社のMAU(月間アクティブユーザー数)は合計3億人おり、両社の筆頭株主であるテンセントは、これによりゲーム市場の覇権的地位をさらに固めることになる。

新たなライバルに備えるテンセント

今年5月、虎牙と闘魚が公表した第1四半期の財務レポートによると、虎牙の第1四半期の配信事業売上高は前期比2.2%減と、同社初の対前期比減少であった。一方、闘魚は純利益、最大MAU、有料ユーザー数などは増加し続けているが、平均MAUは下がり続けている。

両社それぞれの課題が顕著になったこのタイミングで、テンセントが支配力を強化しようと、合併を正式に推進することになったのである。

テンセントは人気ゲームやEスポーツイベントを多数抱えている。これまで虎牙と闘魚に投資してきたのは、ゲームの宣伝にとって最適なライブ配信というチャネルを確保し、自社へのトラフィックを伸ばすためであった。そして、ここに来て、新たなライバルに備えるという目的が加わったのである。

2019年のゲームライブ配信市場では、ショート動画プラットフォームの「快手(Kuaishou、海外版は「Kwai」)」と、「ビリビリ動画(bilibili)」が大きく注目を集めた。今年5月末の時点で、快手のゲームライブ配信のMAUは2.2億人超えとなり、ゲーム関連のショート動画のMAUは3億人以上となった。これは虎牙と闘魚の合計に迫る数字である。

ビリビリ動画はEスポーツに投資を続け、今後3年間の人気ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」の世界大会決勝戦中国エリア独占放映権を取得した。ビリビリ動画でのEスポーツコンテンツの再生回数は440億回を超えており、大量のコンテンツ制作者を抱える同社のポテンシャルは驚くべきものである。

ほかにも、ショート動画プラットフォーム「抖音(Douyin、海外版は「TikTok」)」を運営する「字節跳動(バイトダンス、Bytedance)」もゲームのパブリッシングに参入し、現在カジュアルゲームですでに成功している。テンセントが虎牙と闘魚の合併を進めるのは、内部の競争を避け、外敵に備えるためだと言えよう。

先行きは不透明

数年に渡り膠着状態だった虎牙と闘魚は、細部の戦略こそ異なるが、業績にそれほど大きな違いはない。財務レポートを比較すればわかるように、両社の売上構成比率は類似しており、ともにライブ配信が売上高の9割以上を占めている。売上高の伸び率、純利益での差は縮まっており、時価総額も拮抗している。そのような状態で競争を続けても、両社にとって大きな意味はない。そのため、合併するのは理にかなっている。

しかし、合併となれば、どちらかが合併後の会社を主導することになり、もう一方の影響力の低下は避けられない。虎牙、闘魚、さらにテンセントのゲームライブ配信プラットフォーム「企鵝電競(egame.qq.com)」のうち、どこが主役となり、利益をどのように分配するのかは、まだ見えてこない状態だ。

また、虎牙と闘魚が合併したからといって、売上高とユーザー数を伸ばし続けなければならないというプラッシャーが消えるわけではない。より大きな企業になれば、それだけすり合わせが必要になってくる。両社のリソースを十分に共有できるのか、独占していた配信者やIPを連動させることができるのかなど、解決すべき課題はまだ多数残されている。

(翻訳:小六)

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