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8月14日、動画配信プラットフォームのビリビリ動画(bilibili)が人気ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」の世界大会決勝戦の放映権(中国大陸エリア)を売りに出したことを発表した。ともにテンセント傘下のゲームライブ配信プラットフォームの「企鵞電競(egame.qq.com)」、「虎牙(Huya)」、「闘魚(douyu)」が放映権を取得した。
ビリビリ動画はリーグ・オブ・レジェンドを開発した「Riot Games」と戦略的提携関係を結び、2020年〜2022年の同ゲーム世界大会決勝戦の中国大陸での独占放映権を取得した。当時のビリビリ動画は世界大会決勝戦のほか、シーズン中のトーナメント大会、オールスターゲームなども独占放送するとしていた。今回売り出したのは、2020年の世界大会決勝戦の放映権のみだ。
企鵞電競は2016年に設立されたテンセントのEスポーツプラットフォームで、ゲーム配信、大会運営、ライブ配信、SNS機能を中心とする。しかし、ゲームライブ配信における企鵞電競の実力は不十分で、1位と2位の虎牙と闘魚には遠く及ばない。
虎牙と闘魚の大株主であるテンセントが、両社の合併を進めるという推測は2年前から出ていたが、今年8月10日に正式にその内容が公表された。テンセントは両社に対し、株式交換の形での合併を提案し、虎牙が闘魚の流通株式(預託証券を含む)すべてを取得するというものだ。テンセントの2020年第2四半期の財務レポートでは、すでに虎牙を連結子会社として計上している。
ビリビリ動画がリーグ・オブ・レジェンドの3年間の独占放映権を取得したことは、虎牙と闘魚にとって大きな脅威だと見られていた。この放映権のためにビリビリ動画は8億元(約120億円)かけたとの報道も出ている。同社の時価総額は年初の120%に上昇し、現在144億ドル(約1兆5000億円)に達しており、独占放映権の取得が押し上げたのは間違いない。しかし、やはり財務的には収益の見込めない金額だったのだろう。そのため、ビリビリ動画はコストの一部を回収しようと、放映権の売り出しに踏み切ったのである。
8月13日の取引前の時点で、虎牙と闘魚の時価総額はそれぞれ54.98億ドル(約6000億円)、46.03億ドル(約5000億円)。合併が順調に行われれば、ビリビリ動画はテンセントが支配する時価総額100億ドル(約1兆円)超となるライバルと正面対決することになる。
(翻訳:小六)
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