音声コンテンツ市場で競争再燃 ショート動画「快手」がポッドキャストアプリを開発中

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音声コンテンツ市場で競争再燃 ショート動画「快手」がポッドキャストアプリを開発中

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今年はIT大手の間で「耳の経済」が熱い。中国の人気ショート動画アプリ「快手(Kuaishou、 海外版は「Kwai」)」を展開する「北京快手科技(Beijing Kwai Technology)」も例外ではない。

快手によると、全く新しいポッドキャストアプリ「皮艇(カヌー)」を現在開発中だという。カヌーは中国語の音声コンテンツを集めたアプリで、「面白い人の語る世界を聞く」をキャッチフレーズにしている。「精度の高い検索機能」、「ハッシュタグ」と「レコメンド」機能を備え、コンテンツのカテゴリーは「文化」、「音楽」、「芸術」と「ゲーム」の四つがある。

皮艇の画面設計はとてもシンプルだ。トップページには番組が並んでいて、簡単な内容説明もある。ユーザーがよく聞く番組があったり番組をお気に入り登録したりすると、システムが自動的にユーザーの好みに合わせた同様のコンテンツをトップページでレコメンドする。

再生中の操作画面の設計は多くのポッドキャストアプリと同様で、コンテンツの再生時間を任意で調整できるスリープ機能の他、15秒前に巻き戻したり15秒後に早送りしたりする機能も備える。

ユーザーはさらにプレイリストの中で任意のコンテンツをお気に入りに追加でき、コンテンツにコメントを投稿することもできる。

今回快手が初めて音声コンテンツをリリースしたのは、ポッドキャスト市場の成長を見込んでのことだ。市場調査会社「艾瑞諮詢(iReserch)」が発表した「2020年中国ネットワーク音声コンテンツ業界研究報告」によると、2019年中国のネット配信音声コンテンツ業界の市場規模は前年比55.1%増の175億8000万元(約2700億円)だった。同業界は近年急速に成長し、2019年中国でのユーザー規模は4億9000万人に達した。

大手IT企業も音声コンテンツ市場を重視している。テンセントや人気ショート動画アプリTikTok(中国国内では「抖音」)を運営するバイトダンス(字節跳動)、さらに最近ではネットイース(網易)も参入し、次々と新しいアプリが投入されている。しかし、コンテンツの著作権の問題には、業界をリードする「himalaya(喜馬拉雅)」も頭を悩ませている。中国の企業情報サイト「天眼査(Tianyancha)」のデータによると、himalayaが抱える著作権侵害訴訟は600件余りにもなる。

そのため、バイトダンスは多数のコンテンツを保有し多くの作家と契約するデジタル出版プラットフォーム「中文在線(COL)」と提携してコンテンツを確保した。一方のテンセントには、傘下にオンライン文学プラットフォームを運営する「閲文集団(China Literature)」がいる。それに比べ、新規参入した快手はコンテンツの著作権対応が不十分で、今後の解決が必要だ。

快手のアプリは機能を次々と増やして自身のエコシステムを拡張させている。今回リリースした音声アプリの皮艇はその一つだが、快手に「耳の経済」という成長市場の果実をもたらすことができるだろうか。(翻訳・二胡)


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