CDRでの本土上場を中止した小米(シャオミ)、 先に香港上場で最高61億米ドルを調達か

CDR(中国預託証券)を通じた中国本土での上場を断念した小米(Xiaomi、シャオミ)。その香港市場にまつわる動向が注目されることとなった。

ブルームバーグの報道によると、小米は香港IPO暫定条項を定め、最高61億ドルの資金調達をする可能性があるとのこと。有力な情報筋によると、小米及び一部の既存投資家は1株あたり17~22香港ドルの価格で21億8000万株分を売却する予定。つまり、香港で370.6~479.6億香港ドル(約48~61.1億米ドル)の資金調達をすることに相当する。

ブルームバーグや香港経済日報など複数メディアの既報では、小米は約100億米ドルの資金調達が見込まれていた。いまだCDRを通じて資金調達をする余地は残しており、一時的に見合わせてはいているものの、それが無期限のものになるわけではないようだ。

小米は依然として「コーナーストーン(中核的)投資家」を探し求めている。ブルームバーグによると現在、中国移動(チャイナモバイル)・クアルコム・順豊控股(SFホールディング/中国の宅配大手)の子会社がいずれも、小米のコーナーストーン投資家となる可能性について交渉中であり、中でも中国移動は約1億米ドルほどを投資する考えを示しているとのことだ。

また、テンセントの運営するテック系メディア・一線(イーシェン)の報道によると、国内以外でも多くの海外の投資機関が同社のコーナーストーン投資家となるべく食指を動かしており、小米に近い某情報筋は、これに中東の大型ファンドも含まれているとしている。

しかし、同じく一線の情報筋からは、「もし小米のコーナーストーン投資家になるなら、最低出資額は5000万米ドル、さらには通常の6ヶ月よりも長いロックアップ(株式売却禁止)期間が設定される」との声も。中には最長2年のロックアップ期間を勧告されたところもあるとのことだ。

小米が上場のカウントダウンへ入るにつれ、市場はますます同社の企業評価を注視することになるだろう。現在、同社の評価へ影響を及ぼす大きな要素は2点。1点目は、小米自身がVAM(Valuation Adjustment Mechanism、企業価値評価の調整メカニズム―中国では「ギャンブル契約」と呼ばれている―)を締結しており、前6ラウンドの投資家が上場時の評価に対する要件を提出したこと。2点目は、投資家たちが小米という企業の位置付けを見定めていること。現時点の小米を、ハードウェアメーカーと定義するのか、IT企業と位置付けるのか。両者は異なるな評価ロジックに対応することになる。

6月19日、CDRによる本土市場への上場中止を発表した小米。CDRが同社の企業評価をさらに上昇させると目されていたものの、その期待はもはや存在せず、むしろその評価は若干下がっていくものと予測されている。ロイター通信の報道によると、CDRによる本土市場上場延期と香港市場の優先が決定された後、小米は同社の評価額をおよそ550~700億米ドルの間に引き下げた。

国内資本市場が縮小してリスク選好度の下がる現在、ハイテク技術株に対する投資家の態度は慎重なものになっている。自撮りアプリメーカーのMeitu(美図)・ゲーミングデバイスメーカーのRazer(レイザー、雷蛇)・自動車販売サイトを運営する易鑫(イーシン)集団・ネット損保の衆安在線・オンライン医療プラットフォームの平安好医生を含む、過去に香港市場に上場していた多くのユニコーン企業は全て公募割れし、電子書籍サービスの閲文集団には公募割れはなかったものの、大幅に価格が低下した。このことは今回、香港上場を優先した小米にとっては不利な要因と言えるだろう。なお、ユニコーン企業とは、2013年に投資家のアイリーン・リー氏によって考案された概念であり、簡単に言えば、評価額が10億米ドル以上でなおかつ未上場のスタートアップ企業を指す。

日本企業のDXを促進するプラットフォーム「CONNECTO」
無料コンテンツ公開中

最新記事