世界一快適な靴と話題の米「Allbirds」が100億円の資金調達 中国を中心にアジア展開を加速

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製品の寿命に伴う温室効果ガスをゼロにすることを掲げるシューズブランド「オールバーズ(Allbirds)」が、シリーズEで1億ドル(約100億円)を調達したことを発表した。リードインベスターは世界的な資産運用会社のフランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)であり、コ・イベンスターはT Rowe Price、Baillie Gifford、TDM Growth Partners、Rockefeller Capital Managementなど。

Allbirdsは2016年3月にサンフランシスコで創業され、わずか3年間でユニコーン企業に成長した。これまでの資金調達額は2億ドル(約210億円)超であり、今年第1四半期にシリーズDで7500万ドル(約80億円)の資金調達をした。出資者には映画俳優のレオナルド・ディカプリオ、タイガー・グローバル(Tiger Global Management)などがいる。今回調達した資金は、新商品開発、国際事業の展開、実店舗の新規出店などに使われる。同社の最新の評価額は17億ドル(約1800億円)である。

Allbirdsのもっとも有名な製品は、2016年に発表したウールを原料とするシューズの「Wool Runners」である。店舗は米国のほか、欧州、アジア、ニュージーランドに計21店。。

アジア展開を加速化

Allbirdsは2019年4月に中国に進出し、上海、北京、広州、成都で4店舗を出店した。アリババ傘下のECプラットフォーム「天猫(Tmall)」と「京東(JD.com)」ではオンラインフラグシップストアを出店。上海店はアジア1号店であり、日本と韓国にも今年出店した。

同社の海外事業担当のSandeep Verm氏は、アジアでの売れ行きが予想以上に好調だとしており、なかでも中国は、新型コロナショックから急速に回復し、オンラインの売上高が前年同期比で2倍に達したという。

画像はAllbirdsより

一方で、中国でのローカライズという課題はまだ残る。同社が中心に据えるサステナビリティという理念は、欧米諸国では広く受け入れられており、それを支える社会基盤も整っている。しかし、中国で消費者にどれほど受け入れられるかは、まだ不透明だ。

このことについて、Sandeep氏の見通しは楽観的だ。その理由として、中国政府がサステナビリティへの支援を強化し、また若い消費者の環境意識が高く、製品の品質そのものをより重要視することを挙げている。さらに、新型コロナ禍によって、環境や健康への関心が高まり、Allbirdsにとって追い風となる変化が生じているという。

また、欧米と比べ、中国ではECの売上比率が高いため、同社はオフライン店舗を出店すると同時に、オンラインチャネルにも注力している。特に重要視しているのは、ブランドストーリーを発信することである。ほかにも、上海で「黄浦江限定色」、北京で「京劇限定色」のシューズを発売するなど、各地域に合わせた限定商品を発表している。今後、こうした中国市場に特化した製品をさらに増やしていくという。

(翻訳:小六)

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