自動車大手吉利(Geely)が新型ドローンを発表 傘下企業の合併で一般航空へ参入

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中国自動車大手「浙江吉利控股集団」傘下の「吉利科技集団(Geely Technology Group)」は9月15日、ゼネラル・アビエーション(一般航空)戦略の一環として、ドローンを手がけるスタートアップ企業「四川傲勢科技(AOSSCI)」を傘下におさめ、同グループ傘下でスカイカー(空飛ぶクルマ)を開発する「太力飛車(Terrafugia)」と統合し、新たに「沃飛長空科技有限公司(AEROFUGIA)」を設立したと発表した。また、同時に新型ドローン「X-Chimera25(XC25)」を発売した。沃飛長空は傲勢科技と太力飛車のダブルブランド戦略を採用、ドローンや空飛ぶクルマの開発と生産、運営を主要事業とし、一般航空全般にわたるソリューションを消費者に提供していくという。

吉利科技の一般航空戦略発表会で披露された新型ドローンXC25(9月15日)

ゼネラル・アビエーション(GA)とは一般航空のことで、簡単に言えば航空機による飛行のうち、軍事目的と定期航空路線を除くあらゆる活動の総称。工業、農業、漁業、林業、鉱業、建築業などの作業飛行や医療衛生、災害時の救助、気象観測、海洋モニタリング、科学実験、遠隔計測による製図、教育訓練、レジャーなどに関連する飛翔体サービスのことだ。一般航空産業は70あまりの学科や工業分野と関係しており、飛翔体の研究開発と製造、市場の運営、総合保障及び関連サービスなどが一連の産業チェーンとなっている。海外の事例を見ると、投資利益率は10%だ。

沃飛長空の首席科学者でもある郭亮総裁によると、一般航空産業は業界全体が有人操縦の飛行機から無人操縦の飛行機を経て自動操縦の有人飛翔体へというプロセスで発展していくだろうという。

この考えに基づき、吉利科技の戦略はドローンとスカイカーの開発・生産・運営を中心としており、傲勢と太力という2つのブランドの相乗効果を利用すると同時にインダストリアルインターネット、5G、IoTなど多分野の技術を結びつけ、業界を越えた提携や柔軟なモデルで一般航空事業の発展を実現するものだ。

今回発表されたXC25は沃飛長空が開発した固定翼とマルチコプターを兼備する垂直離着陸式の純電動ドローンだ。高性能の飛行管理コンピューターを搭載し、各種の荷重に対応可能で、交通指揮や非常時の救援、海事や公共の安全、電力点検など多くの業界に応用できるという。

                         新型ドローンXC25の試験飛行

郭総裁によると、XC25は自重25㎏、積載量6㎏、半径50km以内で制御が可能で航続時間は6時間だという。

産業用ドローンの実際の利用では航続時間の長さ、信頼性、取り扱いのしやすさが非常に重要な指標となる。純電動で6時間の飛行が可能となると、航続距離は300~400キロに達し、面積の大きい測量や長時間の保安パトロールなどのニーズに応えることができる。信頼性に関しては、予備の電池を搭載するなどシステムの安全を保障する余裕ある設計を採用している。ネットワークが切断された緊急時には自主的に帰航することも可能だ。取り扱いに関しては、XC25は分解して持ち運ぶことができ、普通のユーザーでも3分あれば組み立てることができる。このほか、XC25のシステムは互換性が高く、多様なシーンで操作の容易性を実現している。

吉利科技集団はマテリアルテクノロジー、新エネルギー、モビリティサービス、オートバイ産業、航空産業、宇宙産業という6大主要業務を擁しており、インターネットやテクノロジー関連の事業もインキュベートしているという。
(翻訳・山口幸子)

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