企業版「アント・フィナンシャル」となるか、銀承庫が2.65億元のB+ラウンド融資を獲得
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銀承庫が近日中に2億6500万元のB+ラウンド融資を受けることが2018年7月6日、わかった(※B+ラウンド融資:比較的成熟しているが、純利益がまだ少なめの企業に対する融資)。IDGキャピタルなど、複数の株主から共同投資の形で受けるとのことだ。銀承庫は、「今回得た融資を企業間の手形取引に投入すれば、それによって企業版“アント・フィナンシャル”(螞蟻金服)に類する存在になることだろう」と発表した。(※アント・フィナンシャル:中国のIT大手・アリババグループ傘下の金融関連会社。世界最大のオンライン決済プラットフォーム・アリペイなどを有する)
36Krでも既報だが、銀承庫は2014年にB2B プラットフォーム(企業間電子商取引)として成立している。中小企業および第三者方払いのプラットフォームに、手形払い、現金払い、信用払いなど各種サービスを提供している。2015年6月にはIDGキャピタル(IDG資本)、CNキャピタル(中澤嘉盟投資)、チャイナ・グロース・キャピタル(華創資本)からBラウンド融資を受けた。
最近、銀承庫CEOの王唯東(ワン・ウェイドン)氏は36Krの取材を受け、手形分野での取引や財務管理業務への考えと、銀承庫の将来とりうる戦略について語った。
B2B分野におけるチャンス
中国人民銀行の統計によると、企業が主に支払いに使う銀行引受手形の2017年における取引額は約102兆人民元にのぼる。これほど巨大な市場にインターネットが入り込むことは難しい。主な理由としては、手形分野の法規は複雑で頻繁に改正があり、企業生命と深いかかわりがあること、また、職員に要求される専門性も高いため、越えがたい壁ができていることだ。
「各企業と協力について話し合う時、手形のことになると、どなたも大いに悩ましい様子だ」、王氏はこう言う。取引と流通のプロセスにおいて、大部分の取引で使われる手形は少額支払手形。これらの少額支払手形の金額は些少で現金に換えることが難しく、現金交換率が高いため企業の資金への圧迫が大きくなるなどの問題があり、多くの企業を困らせている。
現在、手形業界内で新たに創業する企業は少ない。この業界の特性は、業界全体が現在も常にゆっくりと変化していることである。そのため、他社に対して手形の問題を完璧に解決する手法を提案できる企業は非常に稀である。
王氏は、「過去数年で多くのB2Bプラットフォームが登場したが、その多くは製造と原材料分野に集中しており、小型家電分野の手形取引に占める割合は70%ほどである」と話す。「ここまでのマーケットの発展は、中国最大のECサイトとなったタオバオ(淘宝)の初期段階に似ているが、この後は続々と“情報の仲介モデル”から“取引の仲介モデル”へ変化していくはずだ」とも。銀承庫は正にその機会を狙っており、今後の発展の方向としては、銀行引受手形の財務管理属性と支払属性、信用属性を結合して企業にサービスを提供することだという。
変化の激しい金融業界で、銀承庫のビジネスモデルは幾度もの変化を経てきた。商業銀行と企業向けに提供する手形資産のほか、今年からはB2B分野にも力を入れ始めている。今年4月、銀承庫がローンチした集合支払プラットフォーム「大鵝智付」は、企業に手形取引、信用取引、現金取引、手形/現金チャージ、振込、企業の現金管理などのサービスを提供する。今や多くの企業が呼応し、非鉄金属を取引する「飛馬大宗」など7社のB2B企業と戦略的協力関係を締結、市場からの反響も良好である。
手形分野の財務管理、取引の需要にどう合わせるか?
王唯東氏は銀承庫の過去4年のモデルを検証した結果、企業の手形割引への需要の背後には、支払いへの多くの需要があるとわかったと述べた。
「なぜ支払市場に切り込むのか?企業が手形取引を行う時はB2Bプラットフォームの第1の使用場面だ。手形割引は第2の使用場面になる」。王氏は続けて、「だから、私たちはB2Bプラットフォームとの協力を選び、できる限り企業に接近する。その後、彼らに現金化のニーズが生まれた時が、我々と彼らの距離が最も近くなる時だ」と述べる。
中国内の手形関連企業は事業が財務管理に集中していて、支払いの分野に携わるものは非常に少ない。この2つの需要を合わせる際の問題点について、王氏は「同時に2つの需要を満足させるには、まずは企業が手形を利用する習慣を理解する必要がある。サービス商品を企画するなら、B2Bプラットフォームの運営原理を理解し、既存の資源で迅速に組織する必要がある」と話した。
銀承庫は現在十数件の大型B2Bプラットフォームと協力を展開している。彼らにソリューションを提案する時、銀承庫は顧客の使用習慣を分析し、彼らの手形への需要を理解し、彼らが手形の手形割引などを求める時には、素早い割引や対企業の「手形+現金」支払サービスを提供する。手形支払い、現金による手形購入、手形による手形購入など多種類の取引モデルがある。
王唯東氏は、「銀承庫は中小企業領域ではほとんどの仲介機構とも接触があるため、支払分野において優位に立てる。また、銀承庫は現在の中国で唯一、電子銀行にも紙の引受手形にも対応しており、手形の発行や融資利息の振り出しを行う会社でもあり、さらに企業の財務コストと税務リスクを減らすことができる」と言う。
手形は優良な資産であり、1枚の手形には企業の銀行与信限度額に関する情報が多量に含まれている。「これは名前の書かれた紙幣だと見なしてもいいだろう」と王氏は言う。業務量が更に増大すると、銀承庫はこれまでに累積したデータで分析を進め、個々の企業の財務状況における健全性を見定め、そしてその後のサービスにつなげている。
「これはアリババのアリペイ(支付宝)がユエバオ(余額宝)に、そしてアント・フィナンシャルへ発展していったのと似ている。おそらく、同様の発展プロセスをたどるだろう」と王氏は言う。2014年から銀承庫は、京東金融や国美金融などのP2Pプラットフォームと協力を行っている。インターネットプラットフォーム全体の協力プロセスを確認し、P2P手形・財務管理市場の80%以上を覆いつくした。この他、銀承庫は江西銀行との協力でT+0の企業財務管理サービス製品を打ち出した。社会で遊ばされている資金を低コストで実態経済に流入させ、零細企業の発展を補助するのだ。
銀承庫は現在のところ主に手形と現金の兌換、ディスカウンティングと財務管理などの業務利益によって、すでに累計30万枚以上に及ぶ手形の取引を行い、総取引額は600億人民元に近い。そして200万近くの企業の貸付と取引の情報を得た。王唯東氏は、「銀承庫は2018年内に正式に黒字に転じ、2019年中ごろに成長速度を加速する時期に入るはずだ」と述べた。
現在、銀承庫は160人あまりからなるチームを持っている。業務は主に化学工業、鉄鋼、倉庫、機械加工、小型家電製品などに集中している。銀承庫は製品の成熟化とともに、更に一歩先を行くサプライチェーンの金融サービスを提供できるようにしたいという。また、今後半年で更に多くの手形取引に関わるため、年末までに30のB2Bプラットフォームへ食い込み、彼らと協力して新製品の普及を進め、中小企業のオンライン手形サービスへの理解が深まるよう邁進するという。