オンライン指導で競争に身を置く環境づくり、公務員受験の 「心竺教育」、エンジェル投資600万元獲得
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公務員受験ブランド「心竺教育」がPeeli Ventures(伯藜創投)、正善資産基金、さらに個人投資家2名によるエンジェル投資600万元を獲得した。
公務員求人数は安定しているが、試験が難関だ。ビジネス的には受験教育に対する需要は多い。華図教育の見込みでは、2019年の公務員受験対策市場は90億元に達するという。
現在、公務員受験関連リソースでは華図教育や中公教育が最大手だが、試験傾向に特に変化はない。過去問も豊富に流通しているとあって受験予備校入学への敷居は高くはない。一方、ネットインフラの整備とオンライン放送技術の向上によって教育のオンライン化が進み、「粉筆公考」や「腰果公考」、「必勝公考」といったオンライン教育システムが受験産業に参入、その競争は激化している。
心竺教育は公務員試験の筆記と面接の両方をカバーするため、オンライン監督制に加えオフラインでも長期サポートの面接特訓サービスを打ち出した。
オンライン指導で競争に身を置く環境をつくる
公務員試験への受験そのものは義務ではないため、3~5ヵ月に及ぶ受験勉強期間を通してモチベーションを維持するのが難しい。そこで、心竺教育は小人数クラス制にした上でクラス指導員を置いた。
公務員試験のうち知識問題に関しては出題内容も標準的で、学習のノウハウはすでに確立されているとし、心竺教育の講義は録画によるビデオ映像を採用している。数千人を対象としたライブ放送と違い、録画であれば好きな時間に受講できる。 心竺教育CEOの七対氏は36Kr記者の取材に対し「学生の受講修了率はライブが25%で、録画は90%以上」と答えた。
クラスを担当する監督指導員制度も高い修了率を支えた。学生とのコミュニケーション、教材発行や課題の回収、ニーズの吸い上げといった作業の他、各学生の進捗状況をチェックして受講数ランキングと週一テスト結果ランキングの発表も任されている。
受験が義務ではない公務員試験に向けた長期間の受験勉強で、いかにモチベーションを維持するか。学生は大学を卒業したばかりの年代がほとんどで本人の自覚だけでは難しいことから、競争の中で積極性を引き出すことが必要となる。
心竺では学生ごとに一日の学習範囲を細かく設定した。クラス指導員は毎日バックグラウンドで進捗状況を監視して、講義の受講回数ランキングを公表。さらに週に1回のオンラインミニテストを実施して得点ランキング、所要時間、クリアできていない学生のリストも掲載される。「小人数クラス制は、競争させる環境の形成が目的」と七対氏は言う。受験勉強には長期サポートと複数の相互作用、専門指導学習が効果的らしい。
オンラインとオフラインで長期サポート面接特訓
昔ながらの公務員試験面接対策講座では、特訓期間は7日間が一般的だ。2日間で面接試験とはどういうものかを学び、残り5日間で実際に面接のシミュレーション練習をする。7日間の費用は2~3万元になる。
心竺の面接特訓は、「オンライン、オフライン、長期サポート」がワンセットになっている。面接そのものに対する知識はオンラインで学び、面接練習を行う前にしっかり知識を身にさせ、その分実際の面接練習により多くの時間を割くというもの。
心竺では7日間特訓終了後も1ヶ月のオンライン音声トレーニングを実施する。担当教員が毎日クラスに音声で質問し、学生が順番に答えていく。教員による模範解答と指導はもちろん、学生同士も自由に意見を交換する。「この1ヶ月面接特訓で、学生はより広い視野を持ち、面接スキルもアップする」と七対氏。
さらに、心竺がすでに展開しているアプリではAIが自動で問題を提案してくれるが、今後は採点指導まで可能となるシステムを開発中だ。同じことの繰り返しになる単純業務は一切機械に任せよう、そして、カリキュラムの充実や監督指導サービスといった面へマンパワーを注ごうというのが、心竺メンバーの狙いだ。
心竺の教員は江蘇省トップの公務員受験予備校から招き入れており、いずれも指導経験は5年以上。オンラインビデオ講座の映像はすべて彼らが作成している。
現在、心竺は受講料納付に2つのコースを用意している。1元のライブ公開講座コースと69元の正規コースだ。また、頭条(Toutiao)や微信(WeChat)といったSNSで公式アカウントを公開、フォロワー数は20万人を超えるほか、バイドゥ(Baido, 百度)広告も展開している。
心竺の創業者メンバーは全員南京大学の卒業生。七対氏はアリババ(阿里巴巴)で製品管理責任者として9年間勤務、その後湖畔大学で製品部門や技術職、教育などを担当した。営業責任者の繆欣欣氏は教育機関で6年間の学生指導経験を持ち、技術責任者の雷暁氏はアント・フィナンシャル(螞蟻金服)で勤務していた。
七対氏の考える教育の最終モデルは「人プラスIT」だ。ITの活用は様々なソリューションを提供する。ユーザーの行動に絶えず対応し、提供するコンテンツ側にフィードバックする。コンテンツの更新を繰り返す作業は人の手で行われるため、人的サポートとして学習にも良い効果を与える。コンテンツといった製品関連の開発にAI技術の向上が伴っていけば、マンパワーはよりきめ細かいサービスに注力できるだろう。