日本にも進出予定、AIによる視覚的識別技術の「SmartMore」が約100億円調達

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AI(人工知能)技術をスマートマニュファクチャリングや超高精細動画に応用する「思謀科技(SmartMore Technology)」(以下、SmartMore)が、今年6月にプレシリーズAで数千万ドル(数十億円)を調達したのに続き、このほどシリーズAで約1億ドル(約100億円)を調達した。

プレシリーズAで出資したレノボ傘下の「聯想創投集団(Lenovo Capital and Incubator Group)」、IDGキャピタル、「真格基金(Zhen Fund)」などのほか、新たに「松禾資本(Green Pine Capital Partners)」「セコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉資本中国基金)」「基石資本(Co-Stone Capital)」「聞天下投資(Wentianxia Investment)」などが出資者に加わった。

同社の共同創業者でCEOの沈小勇氏によると、資金は技術強化のほか国内外の優秀な人材の採用に充て、グローバルビジネスの展開を加速する方針だという。

SmartMoreは2019年12月の設立以降、わずか1年で3回の資金調達に成功している。ちなみに、創業者の賈佳亜董事長と沈小勇CEOはいずれも、顔認証技術などを研究・開発するテンセントの「優図実験室(X-Lab)」で責任者を務めていた。賈氏は今年3月に「AI技術は現在単一アルゴリズムの開発からアーキテクチャの構築に移行しつつある。当社はAIシステムアーキテクチャの開発と実用化を進め、単一アルゴリズムの能力向上による限界を突破する。今後も生産現場の人材・能力不足を解決し、顧客企業のデジタル化、自動化およびスマート化を全面的にサポートしていく」と述べていた。

SmartMoreが開発したスマート製造ソリューション「SMore ViMo」と超高精細動画ソリューション「SMore Media」は、汎用性の高さからハイエンド家電や新エネルギー、自動車、動画コンテンツ制作などの分野を手掛ける100社以上の企業に導入されている。また、米フォーチュン誌の企業番付「フォーチュン・グローバル500」にランクインする国内外の大企業およびスマートフォンやスマート機器の世界大手とも提携しており、稼働中の生産ラインは数百本に上る。さらに、AIによる視覚的識別技術は累計1000万種以上の製品に応用され、製品のライフサイクル管理や生産効率、スマート化水準の向上を支えている。

組織拡充も急速に進めており、すでに広東省深圳市や上海市、香港特別行政区、江蘇省蘇州市に研究開発・ビジネスセンターを設立している。また、グローバル市場への進出も加速し、映画・テレビ業界や港湾物流、公共サービスなどに関する海外プロジェクトを実施している。さらに、今年11月にも日本法人「SmartMore Japan」を東京に設立する計画を明らかにしている。

セコイア・キャピタル・チャイナのグローバル部門を率いる沈南鵬マネージングパートナーは「SmartMoreのような新型AI企業は、新たな進展を遂げたAIの産業化を象徴している。同社はコアテクノロジーの刷新を中心とするサービス産業として、実体経済におけるAIの価値を示していくだろう。われわれは同社の深い思考と非常に高い行動力にインパクトを感じている。AIと各産業との融合は、今後も産業の変革に大きな影響を与えていくに違いない。同社が迅速に成長し、リーディングカンパニーとしてますます重要な役割を発揮することで、産業の変革を推進していくと確信している」と語った。

レノボグループ(聯想集団)高級副総裁で聯想創投集団総裁の賀志強氏も、SmartMoreは設立わずか1年足らずで技術や業績、プロジェクト実施などの点で多面的な飛躍を実現し、すでにユニコーン企業を狙えるAI企業に成長していると評価した。(翻訳・田村広子)


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