「打倒ファーウェイで行け。ファーウェイを越えろ」 Honorを手放したファーウェイCEOの惜別の言葉

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「打倒ファーウェイで行け。ファーウェイを越えろ」 Honorを手放したファーウェイCEOの惜別の言葉

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中国通信機器大手ファーウェイは今月17日、スマートフォンのサブブランドとして展開してきた「Honor(栄耀)」の完全売却を決めた。ファーウェイは今後、Honorの株式を一切保有しないことになる。

背景には米国のチップ輸出規制により、ファーウェイの携帯電話市場が徐々に縮小してきていた現状がある。「天風国際証券(TF International Securities)」の名物アナリスト、クオ・ミンチー(郭明錤)氏は「Honorがファーウェイから独立すれば、少なくともHonorの部品調達は米国の制裁を回避できる」との可能性を指摘していた。

Honorはファーウェイの低価格~中価格帯スマホブランドとして2013年に誕生。今年4月にファーウェイの完全子会社として分社化されていた。スマートフォン以外にもタブレット、ウェアラブル端末、スマートホーム関連製品などを展開している。

ファーウェイ社内では売却の決定を受けて「Honorの送別会」が催され、その席上で任正非CEOが披露したスピーチが26日、社内向けサイトに掲載されたという。以下はその日本語訳。

十数年を共にした我々(ファーウェイとHonor)は、心中は辛いほどの名残惜しさでたかぶっている。我々はこの偉大なる時代に最も困難な時期を過ごした。もともとは名もなき雑草だった我々だが、この2年間吹き荒れた暴風豪雨(米国からの制裁)にも負けずに耐え忍んだ。数年にわたる辛い鍛錬を経て、我々はいつのまにか立派なたくましい樹木に育っていたのかもしれない。樹木はいつか花を咲かせる。あなた(Honor)は今ここを去ろうとしている。冷たい秋風が一面にまき散らした落葉だけがあなたを見送っている。

Honorを手放す理由

引いては返す波のように続く厳しい制裁に耐えながら、我々はついに悟った。米国の一部の政客は我々を正したいのではなく、ただ打ちのめしたいのだということを。

短期的な困難なら我々にはこれを乗り越える力がある。我々は自らが災いを被ったからといって無辜の関係者を道連れにするわけにはいかない。しかし、170カ国に散る我々の代理店、販売店では水路が枯れ果てたばかりに数百万人が職を失う羽目になった。我々が部品を調達できないばかりに、サプライヤーでも売り上げが落ちている。彼らには何の落ち度もなく、我々も共に犠牲を払うべきで、そのためにはあなた(Honor)が彼らと苦楽を分かつことになる。水路が枯れたならあなたが水を満たすのだ。

無論、あなたは救世主ではない。顧客に対しまるで敬虔な信者であるかのような心持ちで、誠実に顧客の利益を守り、誠実にサプライヤーとの取り決めを尊重しなさい。契約精神はあなたの揺るぎない礎である。Honorは低価格~中価格帯の製品を製造してきた。独立後のHonorは急速に生産体制を復旧させ、川上から川下までに至るサプライヤーたちの抱える困難を取り除きなさい。

十数年間を共にする中、我々(ファーウェイ)は厳格にあなたを育ててきた。無邪気な夢見る若者を、苦難に耐えられる戦士に育て上げたのだ。時には厳しすぎることもあったかもしれないが、申し訳ない。今日、あなたを送り出すに至って、やはり名残惜しい気持ちはある。秋風が吹き一面の落葉に埋め尽くされる季節だが、旅立ちの後はさらに冷たい風が吹くかもしれない。我々はもうあなたを雨風から守るわけにはいかない。どうか道中ご無事で。

Honorがすべきこと

まずは供給網を取り戻そう。あまりにも長く放置すれば草は枯れ果て、命は戻らなくなる。水、水、水、水路に満たされた水こそが命を救うのだ。

世界中のリソースを確保し、早急にサプライヤーとの関係樹立に動くことだ。サプライチェーンとは複雑で煩雑なものだ。あなたの立ち向かう困難は新設企業のそれよりも大きい。その困難を乗り越えるには、あらゆる先進的なものを学び、時には苦手な人物からも学ぶことだ。

しっかりとグローバル化を果たすには、英国、米国、欧州、日本、台湾、韓国の企業とも親しくしていくことだ。米国は世界的なテクノロジー強国で、多くの優れた企業がある。どっしりと構え、かつ大胆に彼らと手を取り合いながら、自国のパートナーとも協力関係を築き、一緒に成長していくのだ。

打倒ファーウェイで来い

ファーウェイの最大のライバルとしてファーウェイを越えてきなさい。打倒ファーウェイで構わない。

自己改革を続け、概ね正しい方向だと思うなら前進していきなさい。組織に活力を絶やさず、スタッフの強い意志と勝利への渇望を絶やさぬように。社内の腐敗、汚職、横領などには断固反対しなさい。

挫折はあるだろう。でもあたふたしなくていい。集団の思いが持つ力を発揮し、大胆に意思決定を進めなさい。しかし独善はならぬ。一致団結して前進するのだ。

今日は我々の「離婚式」だ。これ以上は多くは語るまい。一旦離婚を決めたなら、未練を断ち切り、我々はもう大人なのだから、理性的に手続きを進めよう。コンプライアンスに基づき、国際規範に基づき、それぞれがそれぞれの目標に向かって戦っていこう。

青二才のように恋に浮かれ、互いに惚れた腫れたと騒ぐのではなく、きっちりと一線を引くのだ。ファーウェイのために心を痛める必要はない、ただあなたの未来を思え!これからの我々はライバルだ、外国製の武器でもなんでも使うがいい、我々は自国の武器で戦う。どちらが勝つかはわからない。我々も遠慮はしない。打倒ファーウェイを叫んだっていい。叫んだその人は英雄だ。決して彼を責めることなかれ。

出会いは得難く、別れは痛みを伴う。どうかよき旅を。
(翻訳・愛玉)

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