子どもの成長に寄り添い、潜在能力を発掘する二言語STEAM教育ブランド「X SCHOOL 」がシリーズPre-Aラウンドで数千万元を調達
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36Krメディアは今回、二言語STEAM(スチーム)教育ブランド「X SCHOOL未来学院(以下X SCHOOL)」がシリーズPre-Aラウンドで数千万元の資金調達を行ったという情報を得た。今回の資金調達は藤門国際教育集団(アイビーゲート・インターナショナル)、翊翎資本(10ファンド)、龍湖集団(ロンフォー・グループ)の共同出資により実現した。 2015年創立のX SCHOOLは、3~15歳の子供たちに2ヶ国語を用いてSTEAM教育(=スチーム教育/主に科学、テクノロジー、工学、アート、数学の5分野を融合的に応用し、21世紀型スキルを育てる教育)を提供している。
市場を見ると、政策の後押しや第2子出産の解禁、親世代の教育意識の向上などを背景にスチーム教育の注目度が高まっており、最近では「极客(極客/Jike)教育」、「幻尔(幻爾/Hiwonder)科技」、「唯科乐(唯科楽)」など他のスチーム教育ブランドも資金調達を行っている。あるデータによると、スチーム教育の市場規模は500億を越えており、また英語が話せて当たり前という時代になりつつある中、英語を用いて初期教育を行うのがひとつのトレンドになっている。
スチーム教育の核となるのは、研究開発とカリキュラム構築のシステムである。X SCHOOLのカリキュラムは北米のスチーム教育推進団体やハーバード大、メルボルン大学の共同開発によるもの。北京本部での製品テストにより需要を掘り出してフィードバックを重ねることで、評価システムや教師養成システムと共に中国本土に適した内容にアレンジしている。国際バカロレアのシステムや会話英語の学習システムとスチームの学習内容を組み合わせ、12種の製品ラインと1000のモジュール授業を開発した。
X SCHOOL創始者の林秘(リン・ビ)はこのように語る。「教育の歴史はこれまでに3つの発展段階がありました。まず『教育1.0』は春秋時代です。当時の教育は狭い範囲で知識や経験を伝承していくことが主で、それが人類における文化伝達の手段でした。『教育2.0』は産業革命のときに花開きました。実用性を重視し、人類が広い範囲で工業生産能力を上げていくことが良しとされた時代です。そして今が『教育3.0』の時代。教育はますます個性を伸ばすことを重視し、未来の社会に必要な人材を育てることが重要になっています。私たちの理念は明確です。X SCHOOLではあらゆる分野の学問を融合させて、子どもたちの成長の軌跡をきちんと記録することで、それぞれの潜在能力を引き出すことを重視しています」

X SCHOOLのカリキュラムは次のような構造になっている。「ストーリー+プロジェクト」をカリキュラムの主幹として、科学、数学、人文知識、プログラミング、テクノロジーなどさまざまな分野の知識を織り交ぜている。子供たちは問題に立ち向かい、プロジェクトを完成させる過程(ストーリー)の中で総合的な能力を養っていくのである。
また、X SCHOOLのカリキュラムは大きく4段階に分けられる。その中でベーシックコースは低年齢の子どもたちの感性を引き出すことが狙いだ。例えば、「光」をテーマにした授業では、なるほど3歳から6歳までの子供たちでは照明の発光の原理までは理解できないかもしれない。しかし、光が周囲に変化をもたらすという点は理解することができる。 X SCHOOLの教室では、低年齢の子どもたちにおいては五感を使って、感覚的に世界を体験することを主としている。決して知識を詰め込むようなことはしない。
さらに上のカリキュラムになるとプロジェクトの難度も上がっていくが、適切に励まし、導くことで子どもたちが問題にチャレンジできるようにしている。絶えず実践を繰り返し、悩むプロセスの中で個人の興味や長所がだんだんとわかってくる。子どもが、自分が何に興味があるのかがわかったら、X SCHOOLではオンラインの上下に関わらず各分野における教師を紹介し、共にその分野を掘り下げていく。また、現在X SCHOOLでは国境を越えた交流ができるプラットフォームを構築しているところだという。もし子どもたちが興味のある分野についてもっと学びたいと思ったら、世界各地で同じ興味を持つ仲間を見つけ、切磋琢磨しながら学びを深めることができるようになる。
X SCHOOL では、各段階の学習・探究のルールに基づき、子どもたちが各学期で個性がどう伸びたかの評価をレポートしている。X SCHOOLでは教師はメンターであり、観察者であり、やる気や能力を引き出すトリガーであり、記録者なのである。林秘は、「教師は子どもたちを導き、成長に寄り添う役割。子どもたちが教室活動でその能力を発揮していく過程で、成長の軌跡をきちんと記録します。それによって、子どもの潜在能力を引き出すのです」と話す。
つまり、X SCHOOLの評価システムは能力を引き出すシステムに基づいて構築されているのである。毎回の授業で養うべき能力に対応し、週ごと、月ごと、半年ごとなど一定の周期で成長報告を作成する。

X SCHOOLに投資した10ファンドの副総裁、応姗姗(イン・シャンシャン)はこう語る。「現在、人工知能(AI)技術が急速に進歩していて、将来は必ず産業構造の変化が起き、ロボットが今ある多くの仕事に取って代わるようになっていきます。それに伴い将来の人材に要求される能力や素質も変わっていきますから、教育のあり方や教育スタイル・内容に再構築の動きが起きているのです」
子どもたちがそれぞれ持っている価値をどう発掘するのか、AIに取って変わられない人材になるにはどうすればよいか。これはすべての教育従事者が考えなければならない問題である。我々は、「ある技能に長けた子ども」ではなく、「未来の社会の変化に適応できる子ども」を育てるべきなのだ。
多くのBtoBに特化した他のスチーム教育ブランドと異なり、X SCHOOLはオンライン上ではなくリアルな学校を運営し、直接利用者と向き合う教育方式をメインとしている。利用者のフィードバックをもとにカリキュラムに手を加え、地域社会に当たり前のようにスチーム教育が根付くようにしていきたい考えである。同時に、X SCHOOLでは学校教育の場にもそのカリキュラム、評価システム、教師養成システムを提供している。今年の下半期にはオンラインでのスチーム授業を世に出すつもりだ。
データによれば、X SCHOOLを訪れて実際に費用の支払いに至る客の割合は80%に及び、リピート率は92%、別の人の紹介に至る割合は73%になるという。現在、北京で8校を直営しており、10数校の全日制の学校を顧客としてその教育カリキュラムを提供している。