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育児用品の新興ブランド「Babycare」がこのほど、シリーズBで7億元(約11億円)を調達した。リードインベスターは「鼎暉投資(CDH Investments)」、コ・インベスターは「華興資本(China Renaissance)」傘下のPE(プライベート・エクイティ)ファンド「華興新経済基金(Huaxing Growth Capital)」とシリーズAでも出資したセコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉資本中国基金)。財務アドバイザーは華興資本が務めた。資金は製品開発や研究室の建設、高度人材の誘致のほか、倉庫施設のスマート化や物流の自動化などに充てられる。
Babycareはオールラウンドな育児用品ブランドで、1〜6歳の乳幼児を対象としている。自社開発した台座付きの抱っこ紐を手始めに業界に参入し、現在は紙おむつやベビー服、離乳食、早期教育用品など、多岐にわたる育児用品を手掛けている。
Babycareによると、昨年は流通取引総額(GMV)が50億元(約800億円)を突破し、複合年間成長率は100%を超えた。中国最大のECセール「双11(ダブルイレブン)」では、2018年から3年連続で育児用品部門の売上高第1位となっており、昨年は全販売チャネルでの合計売上高が9億元(約145億円)を突破した。すでに3000万世帯以上がBabycareを利用し、登録会員数は1000万人を超えている。
リサーチ機関「前瞻産業研究院(Qianzhan Industry Research Institute)」によると、中国の育児用品市場は2015年から19年まで拡大を続け、19年の市場規模は3兆6000億元(約58兆8000億円)に達した。年間複合成長率は平均17%に上る。1990年以降に生まれた若者たちが家庭を持ち始めたことが、育児用品のニーズ拡大の主な要因になっている。また、育児中の母親がSNS上のKOL(キーオピニオンリーダー)となって若い親たちの間に「科学的なベビーケア」ブームを巻き起こしたことや、ECプラットフォームがユーザーとブランドとの距離を縮めたことも市場拡大に寄与した。
中国では若い消費者の国産製品への認知度が上がるにともない、新興消費財ブランドが急速に成長している。とはいえ、消費者の育児用品に対する選択基準は、一般的な消費財よりも厳しくなるため、育児用品ブランドが信頼を得るには時間がかかる。ただし、いったん信頼を勝ち取れば、高い継続利用率が見込める。
Babycareは2014年という早い時期に育児用品市場に参入し、数々のヒット商品を生んできた。同社の強みは、デザインの美しさと品質、安全性を兼ね備えたコストパフォーマンスの高い製品にある。
Babycareは現在、ブランド力や開発・デザイン、サプライチェーンを発展させ、大規模化による強みを発揮している。また、安定的な収益力を維持しながらサプライチェーンを改善することで、多岐にわたる取り扱い品目に関する管理能力を向上させようとしている。
また、合成繊維ブランド大手の「LYCRA(ライクラ)」や「Sateri(サテリ)」、香料大手の「Symrise(シムライズ)」など世界的メーカーのほか、米国の綿製品の販売促進を行う「国際綿花評議会(CCI)」など国際的な機関との戦略的パートナーシップを結び、子育て中の母親に新たな生活スタイルを提供しようと務めている。
(翻訳・田村広子)
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