ライドシェア最大手の「滴滴(DiDi)」、第3四半期に待望の米国IPOか

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中国ライドシェア最大手の「滴滴出行(DiDi)」の上場について、消息筋からの情報により、今年第2四半期の目論見書を提出し、第3四半期に上場する可能性が高いことがわかった。これまでは香港上場が取り沙汰されていたが、最新の情報を見る限り米国上場となりそうだ。証券引受人はゴールドマン・サックスで、ソフトバンクグループも後押ししているという。

また、上場に向けた手続きを担当する監査法人のPwCは、今年1月から同社で作業を開始し、旧正月も休まずに働いたという。

プライマリー市場でのDiDiの評価額について詳細な数字はないが、これまでに公開された情報によれば、2017年12月の資金調達後の評価額は560億ドル(約6兆1000億円)だった。2019年5月に上場したUberはDiDiの株式の15.4%を保有しており、Uberの目論見書ではDiDiの評価額は516億ドル(約5兆6000億円)とされていた。また、DiDiは2019年7月に自社株13.75万株を手放しており、当時は475.44億ドル(約5兆2000億円)の評価額となっていた。

DiDiには多数の事業があるが、会社全体が上場するのではなく、ネット配車事業のみの上場となる可能性もある。上記情報について、DiDiからコメントを得ることはできなかった。

今年に入ってから、多数の企業が上場を申請しているが、DiDiほど投資家が待ち焦がれた企業はほとんどない。2012年創業の同社は、これまで数千億元(数兆円)を調達し、株主にはソフトバンクグループ、アリババ、テンセントなど錚々たる企業が名を連ねる。

同社は2016年にUberの中国事業を買収しており、業界関係者はその時点で上場を申請するのではないかと分析していた。その後中国ではネット配車に関する規制が厳しくなったものの、DiDiの事業業績は2018年上半期まで順調に推移した。しかし、同年5月と8月に、DiDiの利用者が運転手に殺害される事件が立て続けに起きてしまい、同社は1年半に及ぶ調整期間に入った。

その状況が変わり始めたのは昨年3月以降である。同月に発表されたのが「0188プロジェクト」と呼ばれるもので、発表時点から3年間の重大事故0、1日の利用件数1億以上、中国国内モビリティ市場での浸透率8%、全世界で毎月の利用者8億人以上という数値目標が掲げられた。この発表をきっかけに、DiDiは再び積極的に事業を拡大し始めた。

その後のDiDiは、トラック配車サービス「滴滴貨運(DiDi Huoyun)」と地方都市向けの格安ネット配車事業「花小猪(huaxiaozhu)」を開始し、BYDと提携し自動車製造を始めた。さらに、今もっとも熱い市場の一つである生鮮食品ECにも乗り出している。これらの事業はすべて評価額を伸ばし、上場にプラスに働くだろう。しかし、同様の企業はいくらでもあり、上場後に大事なのは、事業を長続きさせられるか、経営体制が安定するかどうかである。DiDiが解決すべき課題はまだまだ多い。

(翻訳・小六)

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