中国人の海外旅行に最適化した翻訳機開発。通信環境ない時はオフライン辞書に
サーチエンジン事業を主に展開する中国企業、捜狗(Sogou)が開発した翻訳機「捜狗翻訳宝Pro」が発売された。今年3月に発売された「捜狗旅行翻訳宝」の次世代機となる。
2018年上半期、中国では複数のメーカーが翻訳機の次世代機種を発表した。科大訊飛(iFlytek、アイフライテック)の「暁訳(easy trans)2.0」、網易有道(youdao)の「翻訳王」、獵豹移動(Cheetah Moble、チーターモバイル)の「小豹AI翻訳棒」などが続々と登場し、翻訳機は人工知能(AI)の注目分野とされている。
36Krは実際に「捜狗翻訳宝Pro」を使用してみた。筐体はアルミニウム製で、一般的なスマートフォンよりサイズは小さめだ。前機種になかった新機能としては、会話履歴の記録機能が加わった。
二言語で表示される液晶ディスプレイ、オフライン翻訳機能、撮影機能など、各メーカー製品には仕様や機能にさほど大きな違いはない。ただし、捜狗の王小川CEOは「捜狗翻訳宝Pro」について、「オフライン翻訳機能で差別化を図った」と強調する。同製品はオフラインで4言語(日英中韓)に、オンラインで42言語に対応している。

「我々の製品はニューラル機械翻訳として技術面では業界第一でも、価格は業界第一と言えないかもしれない。中価格帯のスマートフォンと同等の価格を翻訳機に支払うなら、いっそ多機能を備えるスマートフォンで代替しようと思われるかもしれない。音声翻訳、画像翻訳(=撮影した画像からテキストを読み取って翻訳)などはグーグルでも使える。ならば、我々の製品は誰の、どのようなシーンに向けて作られたものなのかというと、海外渡航先だ。海外で便利に使うためにオフライン翻訳機能を充実させている」と王CEOは説明する。
海外でモバイル端末を使用する場合、高額な国際ローミング費用がかかる以外に、ネット環境が中国と異なるという問題点がある。海外では国内のようにどこでも確実にインターネットに接続できるとは限らない。また、スマートフォンは翻訳機と同等のパフォーマンスを出せる計算力は備えていない。こうした場合にオフライン翻訳機能の充実した翻訳機が役立つ。
スマートハードウェア関連の業界メディア、智東西の調査によると、今年7月時点で翻訳機を扱っているメーカーは中国国内に50社以上ある。しかし、黒字を出したメーカーは多くはない。とくに自社開発技術を採用する企業ではその傾向が強い。捜狗翻訳宝の前機種、旅行翻訳宝も発売以来、販売台数10万台を突破していない状況だ。かといって、翻訳機はスマートスピーカーのように薄利多売で販売を優先し、利益はオプションサービスから回収するというスキームも当てはめられない。
王CEOの見解では、翻訳機市場は今後、2つのステップをたどる。まずは1~2年以内に技術力の低いメーカーは淘汰される。そして3~5年後、海外旅行で自由旅行の割合がさらに増えれば、捜狗翻訳宝のような高機能翻訳機のニーズも伸びる。オフライン翻訳機能の充実したスマートフォンも発売されているかもしれない。将来的にはさらに、同時翻訳、声のトーンや感情表現もコントロールできる音声翻訳が登場する可能性もある。捜狗はこうした将来の可能性に期待しているようだ。
(翻訳・愛玉)