中国の進化し続けるリテールテック、AIが売り場の商品を分析・管理

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飲料に特化するリテールテック企業「零眸智能科技(Lingmou Intelligence Technology)」がシリーズAで華業天成資本(HUA CAPITAL)、勝輝資本(WIN-LIGHT INVESTMENT)、既存株主らから7000万元(約12億円)を調達した。

中国の飲料業界はすでに1兆元(約17兆円)規模に近づいており、安定した成長を続けるとともに、日用消費財分野で最もポテンシャルの大きな業界の一つとなっている。実際の売り場の人・商品・場に関するデータは、小売りブランドが商品革新を実施する際の鍵となる要素だ。これらのデータをいかに効率的かつ正確に収集するか。それは小売りブランドが成長戦略を立てたり、商品分類を定義したりするための重要な成功要因だ。

零眸智能は2017年8月に設立され、小売り事業にAIを取り入れた。AIにIoTやコンピュータビジョン運用も掛け合わせ、商品検査や商品陳列、小売り現場の全面データ化などを手がけ、ブランド、チャネル、販売店のコスト削減と効率化を図る。

同社の製品は大きく三つに分類される。コアアルゴリズムを基としたソフトウェアサービス、スマートIoT機器、ビッグデータと一体化した業務実行サービスだ。

零眸智能は飲料の商品画像認識から事業をスタートした。完全自主開発の深層学習アルゴリズムを基盤に店舗の商品を認識し、陳列データを収集・分析する業務だ。同社の技術を用いれば、わずか1カ月で4カ国に流通する飲料商品の全SKU(最小管理単位)を認識し、分類モデルを割り出すことも可能だ。

スマートIoTに関しては、飽和市場から着手した。冷蔵庫や陳列棚などから高頻度にデータを収集して分析、小売りブランドの意思決定力を高めている。

データの蓄積や開発が一定の段階に進んでからは、ビッグデータを一体化させたターゲティングアプローチ「千店千策」を展開し、カテゴリーマネジメントの全過程を網羅するシステムプラットフォームを構築した。売り場に出す商品選びや配置を自動化し、AIによる店内巡回も一体化させた業務実行サービスだ。

同社の事業モデルの中核は、顧客ブランドに提供するオーダーメイドのSaaSサービスで、利用したサービスの内容に応じて料金を徴収している。すでにコカ・コーラ、バドワイザー、農夫山泉(Nongfu Spring)など国内外の大手飲料ブランドを顧客に持ち、英国、米国、ロシア、メキシコなど32カ国で事業を展開する。

零眸智能の同業には世界的大手「Trax Retail」や、中国国内では「拡博智能(Clobotics)」などがいる。先発者のTrax Retailは世界で幅広く展開するが中国市場ではローカライズに弱く、運営コストも高い。拡博智能には開発力があり、幅広い業界を網羅するが、零眸智能はまず飲料業界に絞ってスタートし、小売りの全プロセスをカバーするデジタル化ソリューションを作り出した点が差別化ポイントとなっている。
(翻訳・愛玉)

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