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中国初のバーチャルヒューマン「AYAYI」がこのほど、アリババ集団に就職し、同社が運営するECモール「天猫(Tmall)」のセールイベント「天猫スーパーブランドデー」のナビゲーターに就任したと発表した。AYAYIは同社とともに新たな仮想世界「メタバース」におけるマーケティングの可能性を切り開いていく。今後はNFT(非代替性トークン)アーティスト、デジタルキュレーター、ブランドディレクターなどさまざまな役割を果たしていくという。
AYAYIがいわゆるバーチャルアイドルと最も異なる点はリアルさだ。本物の人間そっくりな肌の質感だけでなく、光の当たり方で刻々と変化する陰影までもが再現される。バーチャルアイドルの活動の場が「二次元」的な世界だとするならば、AYAYIをはじめとするバーチャルヒューマンの活躍の場はメタバースに広がっている。
AYAYIのプロモーション活動
AYAYIは今年5月、女性に人気のソーシャルECアプリ「小紅書(RED)」で活動を開始した。初回投稿の閲覧回数は約300万回となり、あっという間にフォロワー4万人近くを獲得。仏化粧品ブランド、Guerlain(ゲラン)とのタイアップも実現した。
音楽レーベル「摩登天空(Modern Sky)」が手掛けるバーチャルアーティスト専門ブランド「No Problem」ともタイアップし、デジタル化された音楽イベントを舞台にメタバースの未来を切り開いていくという。
9月末からはデジタルキュレーターとしての活動も活発化させる。12月には上海の商業施設「TX淮海」で開催されるNFTアート展のキュレーションを手掛けることが決まっている。AYAYIの名を冠したアパレルブランドも間もなく発表される。世界的なデザイナーと共同でスタイリッシュなアイテムを打ち出していく。来年には実店舗もオープンする予定で、現実世界と仮想世界を行き来するようなショッピング体験が実現しそうだ。
バーチャルヒューマンによるプロモーションの成功事例
Lil Miquela(リル・ミケーラ)は現在のところ、最も影響力のあるバーチャルインフルエンサーだ。インスタグラムのフォロワー数は約300万人。FENDI(フェンディ)やOff-White(オフホワイト)、PRADA(プラダ)など数々のブランドとタイアップしている。彼女が昨年10月、優れたエコファッションを表彰する「Green Carpet Fashion Awards 2020」にOff-Whiteのアイテムを身につけて登場すると、同ブランドの月間検索数が68%増加した。同年12月、Moncler(モンクレール)とRick Owens(リック・オウエンス) のコラボレーションによるダウンジャケットをまとった写真がデジタルマガジン「Euphoria」に掲載されると、このアイテムの月間検索数が43%増加した。
imma(イマ)は日本で誕生したバーチャルインフルエンサーで、インスタグラムのフォロワー数は約35万人。昨年4月、アイスクリームブランドのMAGNUM(マグナム)からブランドアンバサダーに起用された。今年1月にAmazon Fashionが展開するコレクション「The Drop」に出品した自身デザインのアイテムは、30時間で完売した。このほか、現在までにVALENTINO(ヴァレンティノ)、Calvin Klein(カルバンクライン)のほか、スポーツブランドのPUMA(プーマ)、高級車メーカーのポルシェ、スキンケアブランドのSK-IIなどとのタイアップも果たしている。
noonoouri(ヌーヌーリ)は、インスタグラムにフォロワー約38万人を抱える。Dior(ディオール)、Thierry Mugler(ティエリー・ミュグレー)、Viktor&Rolf(ヴィクター&ロルフ)、Dries van Noten(ドリス・ヴァン・ノッテン) 、Moncler、Bulgari (ブルガリ)など数々のブランドとタイアップしてきた。Versace(ヴェルサーチ)とタイアップを発表した際は、ファッション検索プラットフォーム「Lyst 」での同ブランドの検索数が1週間で39%増加した。
(翻訳・田村広子)
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