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米ウォルマートの会員制スーパー「サムズ・クラブ(Sam’s Club)」が先月下旬に上海で開業した。中国では34店目となるが、中国初の旗艦店であり、世界最大規模の店舗だ。同店はアリババ傘下の次世代スーパー「盒馬鮮生(Hema Fresh)」の会員制大型店舗からわずか3キロの距離にある。
これまでサムズ・クラブの多くはショッピングモールに入居したが、上海旗艦店は独立した建物で営業する。床面積は7万平方メートル、店舗のほか飲食、娯楽、生活サービスなどの賃貸エリアがある。
取り扱われている商品は3000~4000種類に上る。サムズ・クラブは過去3カ月だけで500種類近くの新商品を発売した。旗艦店は新商品が最も多い店舗だ。
サムズ・クラブ中国事業の最高調達責任者(CPO)の張青氏は、今後世界の新商品の大部分はまず上海旗艦店で販売し、その後全国の店舗に広げるとの方針を示した。
サービスでは、商品を使った調理のデモンストレーションを行うキッチンや健康管理センターのほか、旗艦店にはVRや玩具の体験エリア、専門家から商品のアドバイスをもらえるコーヒーやワインの試飲エリアなどがあり、さらに中国最大規模のサムズ・クラブブランドのカフェ、1100台以上の駐車場がある。
中国での今後の旗艦店出店計画について、サムズ・クラブ中国事業の文安徳総裁は明確な回答は避けたが、「今後2~3年では新規出店と建設中の店舗を合わせると23店舗程度になるだろう」と話した。また、文氏は、サムズ・クラブは全国配送業務を開始し、生鮮食品以外の一部商品は店舗がない都市を含めすでに全国に配送可能だと明らかにした。
ウォルマートの財務報告書によると、サムズ・クラブのEC事業は過去数年連続で3ケタ成長を遂げている。1時間以内で配送するサービスはサムズ・クラブの店舗のある都市で行っており、ECサイト自体のサービス対象は中国の大部分の地域にまで拡大させた。
会員制倉庫型スーパーは今年参入が相次ぎ、競争が激化している。メトロ、コストコ、カルフール、中国のスーパーでは前出の盒馬、永輝超市(Yonghui Superstores)がそれぞれ新規出店計画を発表している。
サムズ・クラブも「2022年末までに40~45店舗を開店あるいは建設する」と発表した。サムズ・クラブは2016年時点では中国に16店舗しかなく、その後も出店は年4~5店舗にとどまっていた。
サムズ・クラブのような会員制倉庫型スーパーと一般的なスーパーでは、ビジネスモデルが大きく異なる。一般のスーパーは仕入れ価格と販売価格の差からの大部分の利益を得るが、会員制倉庫型スーパーは主に会員費で稼ぎ、良い商品を最低価格で販売することで入会を促す。
多くの参入者や長年のユーザー育成により、中国のユーザーは会員制倉庫型スーパーでの消費習慣がついてきた。今後はサプライチェーンと運営能力での勝負の段階に入る。
(翻訳・二胡)
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