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中国の新興コーヒーチェーン「瑞幸咖啡(luckin coffee)」は12月12日、シリーズBで2億ドル(約230億円)を調達したことを明らかにした。調達後、同社の評価額は22億ドル(約2500億円)に達した。
本件には「愉悦資本(ジョイ・キャピタル)」、「大鉦資本(Centurium Capital)」、「シンガポール政府投資公社(GIC)」、「中金国際金融(CICC)」などが出資。愉悦資本の創業者で執行パートナーの劉二海氏が瑞幸の董事会メンバーとなった。
瑞幸は今年7月、シリーズAで2億ドルを調達したばかり。半年の間に2度の資金調達に成功したのは、それだけ期待が高い証であり、また、多くの資金を必要としている証でもある。
2018年1月のプレオープン後、 瑞幸は次々と資金を投入し、市場開拓を進めてきた。現在までに投じられた金額は少なくとも1億元(約16億円)と言われており、その大部分はサービス拡充に充てられている。また、同社は出店を加速しており、すでに北京、上海、広州、西安、青島など21都市で1400店舗以上を展開。中国第2位のコーヒーチェーンに成長した。
瑞幸は店舗数と1600万杯以上のコーヒーを売り上げたという実績は公表しているものの、投下した資金と顧客増加との関係を示すデータは明らかにしていない。同社の創業者兼CEOの銭治亜氏は「現時点で収益拡大までのスケジュールはないし、別に急いでもいない」とし、「投資頼み」のビジネスを止める時期についても「予定はない」と述べている。
しかし、同社は現在、徐々に投資を減らしながら、収益性を高めようとしているようだ。中国メディア「界面」の報道によれば、瑞幸は北京および上海の店舗で、無料デリバリーの最低消費額を35元(約580円)から55元(約910円)に上げたという。最も高価なドリンク(27元)を2杯注文しても、無料デリバリーを利用できなくなったということだ。
同社が徐々に投資を減らしている背景には、ブランド力および需要の向上もある。北京や上海などの大都市では、資金を投下して、コーヒーを飲まない層を開拓する必要がなくなりつつあるのだ。
今回の資金調達に際し、銭氏は「我々は最初から、そしてこれからも変わりなく、商品の研究開発、技術革新、設備投資を増やすことで、商品と顧客体験を向上させていく」と述べている。
同社はこれまでスターバックスをライバル視して急成長してきたが、単に資金を投入するだけではスターバックスを超えられないという現実が明らかになった。スターバックスの商品開発力、顧客体験を向上させる力は絶え間ない企業努力の賜物であり、依然として埋まらない「差」として瑞幸に重くのしかかっている。
(翻訳・飯塚竜二)
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