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アリババ集団の小売事業群が、傘下の電子商取引(EC)モール「天猫(Tmall)」に、自社運営のブランド旗艦店を開設することが分かった。取扱商品はパソコンやスマホ、家電など。天猫のモバイルアプリは近日中にリニューアルされ、名称も「猫享」に変更される。ビジネスメディア「晚点(LatePost)」が2月16日に報じた。
なお、アリババの中国デジタルビジネス部門の担当者は18日、「天猫は名称を変更しない。猫享は天猫アプリ内の試行プロジェクトの一つにすぎない」とコメントしている。
京東は創業初期から、直営方式でデジタル機器のオンライン販売で人気を博し、その後さまざまな商品を取り扱うようになった。その大きなメリットは、あらかじめ自社で商品を仕入れておくことで商品の回転率と発送効率を高められることにある。また、自社で構築した物流システムを使い、配送日数を短縮し、消費者のショッピング体験も向上させられる。
今回、天猫が行った調整は、アリババがEC事業をアセットライトからアセットヘビーにシフトし始めたことを明示している。小売事業群はすでに、猫享にブランドを誘致するための措置として、京東より1〜2%低い初期費用を提示している。
かつてのアリババなら、直営方式など認めなかったはずだ。創業者のジャック・マー氏は2011年、タオバオでの会議の席上、アリババと京東の競争は二つのビジネスモデルの戦いだと明言していた。
10年後の現在、京東に加え拼多多(Pinduoduo)やバイトダンスが手掛けている抖音電商(Douyin Dianshang)などの新興ソーシャルECが急速にシェアを伸ばしている。アリババは、自ら変革を起こすべき時を迎えている。
(36Kr Japan編集部)
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