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社会人向け英語学習事業は、児童向けに比べるといくらか劣るものの、確実に需要がありかつ長期的に存在する数千億円規模の市場だ。
最近の市場データによると、社会人向け英語学習事業は一級都市(北京・上海などの大都市)を除いた小中規模の都市において有料サービスの需要が急速に拡大している。社会人向け語学学校のトップ4校を合計すると、年間売上高は100億元(約1600億円)近くにものぼるという。オンライン語学学校では2018年、社会人向けマンツーマン授業を展開する「洛基英語(Rocky English)」が2.4億元(約38億円)、「跟誰学(Genshuixue)」の動画レッスンは1億元(約16億円)を売り上げた。
しかし社会人向け英語学習事業には従来からの課題がある。学生のコース修了率と修了後の更新率が低く、新規顧客獲得にかかるコストを削減することが困難であり、利益が出ないのだ。これは、2011年に社会人向け英語学校としてスタートした「51Talk(51Talk Online English school)」が、上場後は児童向け英語事業に戦略の重点をシフトさせた理由でもある。
小中規模都市に狙いを定めた社会人向け語学学校はこうした課題にどのように向き合うのだろうか。
ポイント1:大人数クラスでのライブ授業がベター
教育企業の財務報告を見ると、売上高が大きいほど損失が大きい。これは、レッスン終了後に売り上げが計上されるという会計規則と関係している。自主的に予約するマンツーマン授業では受講者はあれこれ理由をつけてさぼりがちだが、ライブ授業ならレッスンを行って売り上げを確定できる。また受講者側にとっても大人数ライブ授業は、授業の周期が安定しない、意志が弱くて続けられない、といった問題の解決策にもなる。
ポイント2:受講者の属性により価格設定を変える
価格戦略の典型的な例が大学生向けのオンライン英語学習アプリ「考虫(Kaochong))」である。199元という価格設定が多くの大学生の需要を呼びおこした。学生は、4年間で1~2回の更新が見込めるため、低価格で参加率を高めるという戦略が成り立つ。しかし社会人には異なった価格戦略が必要である。契約更新が期待できないため、最初の契約から利益を出す必要があるからだ。2000~4000元(約3万2000円~約6万4000円)の設定は社会人が支払い可能な価格帯であり、大人数クラスのライブ授業を行う語学学校の価格設定のボリュームゾーンでもある。
ポイント3:最大の市場は初級ユーザー
成人向け語学学習ユーザーの大部分を占めるのは入門〜初心者レベルの学生であり、マンツーマンに向いているとされる中上級レベルの学生は全体では少数だ。学歴から見ても、高卒以下のユーザーの学習意欲が突出していることがわかる。
対策
社会人は普段から多くのプレッシャーにさらされているので、娯楽や社交と融合させた学習方法が望ましい。たとえば、
英語+娯楽:ユーザーは「Tik Tok」や「ビリビリ動画」の英語ショート動画の視聴を好む。
英語+ソーシャル:ソーシャルコミュニケーションで学習者のモチベーションを高める。学習している言語でマッチングでき、交流できるプラットフォームをミニプログラム上に用意するなど。
英語+ゲーム:2018年に話題になった単語暗記アプリ「Drops」。無料版は一日5分しか利用できないが、ゲーム感覚で楽しく学習を続けられる。有料版にアップグレードすれば時間制限が解除でき、それが撤退コストとなってユーザーの継続使用につながっている。
(翻訳:山口幸子)
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