自動運転分野で新ユニコーン誕生、「図森未来」が米国の高速道路で実用化実験へ

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自動運転分野で新ユニコーン誕生、「図森未来」が米国の高速道路で実用化実験へ

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自動運転技術の開発を手がける「図森未来科技(TuSimple)」がシリーズDで9500万ドル(約105億5000万円)を調達した。リードインベスターは「新浪資本」で、資金は自動運転車の実用化や技術開発に投入される。

2015年9月に設立された同社は、北京と米サンディエゴの二拠点に本部を構えている。中国では最も早く、商用可能なL4クラスの自動運転トラックを開発した企業だ。

これまで中国IT大手の新浪(SINA)を筆頭に、米半導体メーカー「NVIDIA」、「ZP CAPITAL」、「複合資本(COMPOSITE CAPITAL)」などから総額8300万ドル(約92億円)を調達してきた。シリーズD完了後の評価額は10億ドル(約1100億円)を超え、自動運転分野の新たなユニコーン企業となった。

同社の無人運転技術はカメラをメインセンサーとし、LiDARやミリ波レーダーを活用して物体検知、位置特定、運転判断、運転操作などの一連の動作を行う。港湾などの半閉鎖エリアや幹線道路などで貨物車の実用化を目指している。2018年8月からは、小規模ではあるが米アリゾナ州の高速道路で実用化実験を行っている。1台につき1日平均3~5回、13社に配送している。

CEOの陳黙氏は昨年末、同社のトラック1台の収入は週あたり数千ドルだと明らかにした。現段階では米中合わせて30台を運用しているが、1台につき安全要員と試験管理者の2人が同乗しなければならず、現状では従業員400人分の人件費と研究開発費が収入を大幅に上回っている。

だが、今回の資金調達を機に車両の実用化をさらに進める方針だ。今年第1四半期までにはアリゾナ州からテキサス州への運送を開始し、6月には車両を50台に増やす計画だという。同時に、中国北部の某港湾エリアでもすでに300日以上にわたる試験運転を実施しており、まもなく上海の臨港地区でも走行試験を開始する。

シリーズDのリードインベスターとなった新浪資本は、図森未来科技について「確かな技術力と優れた組織力を持つ企業」と評価した。同社が自動運転トラックの実用化に成功する初のメーカーになると期待している。

多くの自動運転車開発メーカーにとって、実用化は最大の難関だ。また、出資者にとって実用化の可否は重要な評価基準でもある。

図森未来科技には、技術の蓄積という強みがある。2018年9月、同社は自動運転車の物体検出範囲を半径1000メートルにまで拡大させた。最大300メートルという一般的な検知距離を大幅に超えている。

貨物車は時速100キロからの停止距離は約250メートルとなる。十分な余裕を持ってブレーキをかけるためには、1000メートル先の障害物を検出する必要があるのだ。

昨年11月に同社は自社製大型トラックの走行を撮影した動画を公開した。大雨の中、完全自動運転のトラックが1時間15分間走行し、最高時速約105キロを記録した様子が撮影されている。走行ルートには、踏み切り、停止標識のある十字路、信号機のある十字路、T字路、高速道路インターチェンジ、視界が悪い長距離高速道路区間なども含まれていた。

同社の発表によれば、2018年上半期に同社はすでに1万3000時間、走行距離52万キロに及ぶ公道試験を行った。2020年までには約4800万キロの公道試験を行い、自動運転輸送が人の運転よりも安全であることを証明したいと意気込む。2021年までには1500台を幹線道路の輸送に投入する予定だ。同乗者が不要になったタイミングで上場を目指すという。
(翻訳・愛玉)

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