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米証券取引委員会(SEC)は4日、米国に上場している中国企業88社を「上場廃止警告リスト」に追加した。新たにリスト入りした企業にはEC大手「京東集団(JDドットコム)」、格安EC「拼多多(Pinduoduo)」、動画共有サイト「ビリビリ動画(Bilibili)」、ネットゲーム大手「ネットイース(網易)」、テンセントの音楽配信サービス「テンセント・ミュージック(TME、騰訊音楽娯楽集団)」、オンライン旅行会社「トリップドットコム(携程)」など有名企業が名を連ねる。現時点で上場廃止警告リストに掲載された中国企業は105社に上っている。
今年に入り、SECは中国企業を続々と上場廃止警告リストに掲載する措置をとってきた。
・3月8日、最初の5社が上場廃止警告リストに追加される。具体的には、外食大手「百勝中国(ヤム・チャイナ・ホールディングス)」、バイオ製薬「百済神州(BeiGene)」「再鼎医薬(Zai Lab)」、半導体設備「盛美半導体(ACM Research)」、漢方薬大手「和黄医薬(HUTCHMED)」。
・3月23日、中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」がリストに追加される。
・3月31日、IT大手「百度(バイドゥ)」、動画配信「愛奇芸(iQiyi)」、金融会社「富途控股(Futu Holdings)」、製薬会社「凱信遠達医薬(CASI Pharmaceuticals)」、養殖業「Nocera」が新たにリスト入りする。
・ 4月12日、ポータルサイト大手「捜狐(Sohu)」を含む12社をリストに追加。
・ 4月21日、SECが「外国企業説明責任法」をもとにQ&Aサイト「知乎(Zhihu)」、新興コーヒーチェーン「ラッキンコーヒー(瑞幸咖啡)」、オンライン不動産仲介「貝殻找房(KE Holdings)」などを上場廃止警告リストに追加したと発表。
そして今回の88社と、計6回にわたり中国企業が相次いで上場廃止警告リストに掲載された。
最終的な不服申し立て期日を過ぎているため(リストに追加された企業は、15営業日以内に電子メールでSECに不服申し立てを行うことができ、そうしないなら「確定リスト」に掲載される)、百度や微博、愛奇芸、富途、捜狐など多くの中国企業がすでに「上場廃止確定リスト」入りしている。
規定によると、上場廃止確定リストの企業は3年以内(2021年を1年目として最初の年次報告書を開示した時から起算)にSECが求める書類を提出する必要がある。もし必要な書類を提出しなかったり、書類の要件を満たしていなかったりした場合、理論上は2023年の年次報告書を開示後(2024年初め)に即上場廃止となる。
上場廃止警告リストが公表されると、中国企業の株価は大きく落ち込んだ。しかし警告リスト入りした企業が必ず上場廃止になるわけではない。米中両国の規制当局は交渉を続け、解決の糸口を見いだそうとしている。捜狐の創業者、張朝陽氏は以前、SNS上で「上場廃止になるのか」との疑問に次のように返答した。「捜狐は上場廃止にはならない。中国企業は全てこのリストに追加されることになるが、これは米中間の問題であり、数年後どうなるかは分からない」
とはいえ、中国企業の里帰り上場はすでに主流となっており、中でも一番人気は香港市場だ。アリババや京東、ネットイースの香港回帰に続き、微博や百度なども香港市場に上場した。知乎は4月22日、インターネット企業として初めて香港市場への重複プライマリー上場を果たした。香港にセカンダリー上場しているビリビリ動画も、重複プライマリー上場への変更申請が香港証券取引所に受理され、今年10月から適用されることになっている。
これ以外にも、香港市場に回帰上場を果たした企業は枚挙にいとまがない。さらに中国投資銀行の中金公司(CICC)によると、今後3~5年のうちに香港上場の条件を満たすであろう企業が現時点で25社あるという。
作者:「極客公園」(WeChatID:geekpark)、Matt、編集:鄭玄
(翻訳・畠中裕子)
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