飲食店向けワンストップ型ソリューション「掌単」、約16億円調達

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中小規模の飲食店を対象に、業務のオンライン化などを支援するワンストップ型サービス「掌単(ORDER HANDLER)」が、シリーズBで約1億元(約15億6000万円)を調達した。リードインベスターは「曼図資本(Mandra Capital)」、株主の「DCMベンチャーズ」も参加した。調達した資金は製品開発やマーケティングに充てる。

過去数年、中国ではオンラインで注文するフードデリバリー市場が急成長した。しかし、その運営能力を持つ人材に恵まれない飲食企業も多く、飲食店のデリバリーを代理で運営するといった事業も付随して伸びてきている。

2018年に創業した掌単も、飲食企業向けにオンライン業務の標準化サービスや、デリバリー業務を管理するSaaSを提供する。さらに、顧客のニーズに合わせて飲食店のデリバリー事業を一括で管理できるソリューションにまで進化させている。

創業者の黄涛氏によると、世界最大のECプラットフォーム「Shopify」と同様に、掌単のワンストップ型ソリューションは、複数のチャネルにオンライン店舗を開設し、統一されたメニュー、集客方法、顧客管理、受注管理、ブランドマーケティングによってこれらを一括管理する。

同社が提供するソリューションは、大別して以下の2つだ。

1)オンライン運営のためのインフラ構築
飲食企業は掌単を通じて、複数のデリバリープラットフォームへ迅速に出店でき、出店後の運営は掌単に委託できる。また、飲食企業側は日々の取引データを管理ツール経由で閲覧でき、これを基にさらなる戦略の策定ができる。

2)飲食企業と顧客間の関係構築
オンライン運営が軌道に乗れば、さらに多様な消費シーンや取引チャネルを開拓できる。SNSの公式アカウント、ミニプログラムなどを通じてプロモーションを展開できるほか、若者に影響力のあるKOL(Key Opinion Leader、インフルエンサー)を起用したPRもできる。掌単は企業と若年層ユーザーをつなぐ支援をすると同時に、ユーザーのペルソナやタグを分析・管理し、異なるユーザーグループに対して個別化されたアプローチを行って取引の活性化を図る。

黄涛氏は、同社がこれまで積み上げてきたフードデリバリー事業関連のノウハウや顧客データを活かし、それぞれの顧客企業がオンライン化の各進行段階で生じる需要や問題点を的確に把握できると考えている。

掌単はこれまでに、北京、上海、広州、成都、杭州などで累計3万社の飲食企業を支援してきた。顧客企業の経営者の30%は1990年代生まれだという。現在同社の従業員数は約140人、上海に拠点を置き、主要創業メンバーはいずれも飲食企業やIT企業の出身者で固めている。
(翻訳・愛玉)

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