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スマートカー向けソリューションを開発する中国スタートアップ企業の「鎂佳科技(Megatronix Technology)」が、シリーズD1で資金を調達した。M31資本(M31 Capital)、之路資本(El Camino Capital)、南山資本(Nanshan Capital)が出資を主導し、既存株主の慕華科創(THE Capital)と紅点中国(Redpoint China)も追加出資した。調達資金は人工知能(AI)駆動で自動車をスマート化する部品の開発と量産に充てられる。
2018年に設立された鎂佳科技は、自動車がスマート化と新エネルギー化へ急速に移行する中、早くもスマートカー分野の中核を担う存在になっている。
同社は自動車メーカーとオープンな提携を進めている。部品サプライヤー(Tier1)として長安深藍(Deepal)、理想汽車(Li Auto)、奇瑞汽車(Chery Automobile)、東風風神(Aeolas)、嵐図(Voyah)などのブランドにプロダクトを提供。東風汽車集団(Dongfeng Motor)、広州汽車集団(GAC Group)などの自動車メーカーには、ソフトウェアサービスモジュールのライセンスとソフトウェア提携開発モデルを提供している。また、クラウド型ソフトウェアテストや品質管理サービスが新たな成長事業になりつつある。
すでに複数の大手自動車メーカーと長期提携し、総額100億元(約1900億円)近くに上る部品量産プロジェクトの開発・供給契約を結んだ。
創業者の荘莉CEOは「当社は一貫して最先端のソフトウェア技術を車載分野に導入し、より安全で楽しく快適な運転の実現を後押ししている。当社の自動車用ソフトウェアフレームワーク『SmartMega』は深層学習などのAI技術を効率的に自動車へ実装・活用するのに役立つ」としている。
自動車、インターネット、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、AIなど新旧の産業が融合する時期に設立された同社は、強みであるインターネット思考とAI技術を扱う能力を生かして、次世代自動車のスマート化とオンライン化を進める部品サプライヤーとなった。
荘CEOによると、同社は深層学習モデル「Transformer」をベースとするAIの音声認識技術と生成式対話技術を第2世代車載スマート音声システムに導入し、それが長安深藍の電気自動車(EV)「SL03」に搭載されたという。
同社はAI生成コンテンツ(AIGC)もスマートコックピット事業に取り入れている。スマート音声プロダクトの対話機能は音声の音響特性、文脈、話すユーザーの気分、交通状況などの周辺環境を踏まえて車内で話す人の声を認識すべきかどうか正確に判断し、言葉遣いや口調も考慮して素早く適切に反応する。従来の音声アシスタントにあった不正確、不十分な回答や機械的な口調などユーザーが気になる点を解決し、ユーザー体験と使用頻度を向上させることで搭載車種の製品競争力を高めた。
同社は設立以来「作りにくいソフトウェアを自動車から無くす」という初心を忘れず、長年にわたってインターネットと自動車業界で経験を蓄積し、自動車用スマートオペレーションシステム(OS)「SmartMega OS+」とソフトウェア開発基盤「SmartMega Core」をリリース。SmartMega OS+とSmartMega Coreは自動車からクラウドに至るソフトウェアフレームワークをカバーし、車種に応じて専用のソフトウェアとクラウド側のタスクシステムを迅速に構築すると共に、ハードウェアの設計とカスタマイズも提供する。
同社は自動車ソフトウェア技術プラットフォームに対するリソース投入を増やし「ソフトウェア定義型のハードウェア」を通じて、AIやビッグデータなど学習領域の技術をスマートカー向けプロダクトに応用することでソフトウェアエコシステムを構築した。
このエコシステムをベースにスマートネット接続、スマートゲートウェイ、自動運転のドメインコントローラやスマート音声対話システムなどのハードウエアとソフトウェアをプロダクトとして展開し、コネクテッドカーや自動車ビッグデータなど自動車のPaaS(Platform as a Service)に加え、ソフトウェアの開発とテストサービスシステムも提供している。
荘CEOは「当社は量産車にプロダクトを提供している。ソフトウェアとAI技術を強みとする企業から、ソフトウェアからハードウェア、サプライチェーンから生産品質管理までを全面的に手掛けられる企業に成長した。デジタルコックピットのプロダクトラインはスマートカー全体に対応するプロダクトラインへと拡張している」と説明した。
(翻訳・大谷晶洋)
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